プラスチック・ファン
特級技能士が教える技能検定対策 「射出成形作業」
にお越しいただきありがとうございます。
プラスチック成形の仕事をする上で、必要な知識をまとめた
【プラスチックの教科書】
を作っていこうと思います。
第7回は「石油精製 プラスチックの元」です。
初心者でもわかる様に簡単にわかりやすく解説していきます。
中級者、ベテランには、「そんなの知ってるよぉ」という内容です。
自身の知識の再確認としてお使い下さい。
一緒に、プラスチックの勉強をしていきましょう!!
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↓前回までのおさらい↓
第1回 プラスチックとは
第2回 プラスチックの歴史
第3回 プラスチックの種類 ①汎用プラスチック
第4回 プラスチックの種類 ②エンプラ
第5回 プラスチックの種類 ③スーパーエンプラ
第6回 プラスチックの種類 ④エラストマー ⑤生分解プラスチック
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1.石油精製 プラスチックの元
プラスチックは、どうやって作られるのでしょう。
「なんとなく石油からできているんだろうな。」とわかっていると思います。
そんなプラスチック原料の作り方
まずは「石油精製」を今回は簡単に説明していきます。
(ⅰ)石油精製の流れ
石油精製の流れは実に面白い。
元の重油から様々な石油製品に分けます。
さぁ簡単に説明していきましょう。
石油精製の流れはこちら↓
- 海外の油田から重油が輸入
- 石油成形工場で重油を加熱
- 石油蒸気にして蒸留塔へ送る
- 蒸留塔で温度別に分けられる
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○残油(重油・アスファルト)
原油蒸留し350℃以上から得られるものを、【残油】をいいます。
重油、アスファルトなどが作られます。
船舶の燃料、火力発電所の燃料にも使用されます。
○軽油
原油を蒸留し240~350℃では、【軽油】がとれます。
軽油は、ディーゼルエンジンの燃料ですね。
トラック、バスの燃料に使用されます。
○灯油
原油を蒸留し170~250℃では、【灯油】がとれます。
灯油は、ストーブなど家電で使用される他、ジェット機の燃料にも使用されます。
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○ガソリン・ナフサ
原油を蒸留し35~180℃では、ガソリン・ナフサが取れます。
ガソリンは自動車のねんりょうですね。
ナフサは、プラスチックの材料になる素材です。
○石油ガス
原油を蒸留し、低い温度帯では、石油ガスがとれます。
タクシーの燃料、ガスコンロのガスです。
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(ⅱ)石油製品は連産品
先に紹介した原油の蒸留から精製される各石油製品は、作成される割合は一定になります。
これを連産品と言います。
おおよその割合は下図の通りです。
石油製品 | 割合(%) | |
1 | ガソリン | 25 |
2 | 軽油 | 19 |
3 | B・C重油 | 14 |
4 | A重油 | 9 |
5 | 灯油 | 9 |
6 | ナフサ | 9 |
7 | ジェット燃料 | 6 |
8 | その他 | - |
-
- 石油精製は連産品ですので、
- ガソリンだけ欲しい。
- ガソリンだけ多く欲しい。
というような事ができません。
重油から蒸留された全ての石油精製品は、余りのない様に、効率的に利用されていますね。