プラスチック・ファン
特級技能士が教える技能検定対策 「射出成形作業」
にお越しいただきありがとうございます。
プラスチック成形の仕事をする上で、必要な知識をまとめた
【プラスチックの教科書】
を作っていこうと思います。
第6回は「プラスチックの種類 ④エラストマー⑤生分解プラスチック」です。
初心者でもわかる様に簡単にわかりやすく解説していきます。
中級者、ベテランには、「そんなの知ってるよぉ」という内容です。
自身の知識の再確認としてお使い下さい。
一緒に、プラスチックの勉強をしていきましょう!!
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↓前回までのおさらい↓
第1回 プラスチックとは
第2回 プラスチックの歴史
第3回 プラスチックの種類 ①汎用プラスチック
第4回 プラスチックの種類 ②エンプラ
第5回 プラスチックの種類 ③スーパーエンプラ
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1.プラスチックの種類
私たちの生活に欠かせないプラスチックはたくさん種類があります。
性質、機能、用途によって様々です。
そんなプラスチックの種類を簡単に説明していきます。
前回の記事で
プラスチックは、大きく分けると
- 熱可塑性(ねつかそせい)樹脂
- 熱硬化性樹脂
の2種類があります。と説明しましたね。
・熱可塑性(ねつかそせい)樹脂
熱を加えると溶けて、冷めると固まる樹脂は、特徴、性質、用途によって分類されます。
数え切れないほどの種類がありますので、
覚えてもらいたい樹脂を5種類ピックアップしました。
- 汎用プラスチック
- エンプラ
- スーパーエンプラ
- エラストマー
- 生分解プラスチック
本日はその中の
(d)エラストマー
(e)生分解プラスチック
を紹介していきます。
たくさん紹介しても名前も似ているし、一気に覚えられませんのでゆっくりゆっくりいきましょう。
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2.(d)エラストマー
ゴムの様な弾性がありながら、射出成形、押出し成形が可能な樹脂。
【特徴】
- ゴムの弾性とプラスチック成形性の良いとこ取り
【用途】
自動車、電気・電子、医療、食品などさまざまな分野で広く使用されています。
医療分野では、注射・点滴バック、チューブジョイントコネクタなど多く使用されています。
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3.(e)生分解プラスチック
現代社会で問題になっている海洋プラスチック問題の解決策の1つとして注目されています。
今、プラスチックが問題となっている訳は簡単に説明すると2つです。
1つ目は、海洋生物への影響。
海に集まるプラスチックゴミはものすごい量になっています。
その量は1億5000万tと言われています。
さらに年間800万tのプラスチックごみが海へ流れ込んでいます。
海かめ、鳥類は、プラスチックゴミを餌と間違えて食べてしまいます。
地球の生態系を壊してしまっているのです。
2つ目は、分解しないという事です。
また、海に流れ込んだプラスチックは容易に分解されません。
何百年という歳月海に残り続けます。
その分解の過程でプラスチックはマイクロサイズになり海に溶けだしていきます。
この「マイクロプラスチック」が、
プランクトン→魚→人間
と食物連鎖をへて人間に帰ってきてしまうというものです。
そんな問題の解決策として開発されているのが
バイオプラスチックです。
の中の1つです。
バイオプラスチックは2種類にわけられます。
(ⅰ)生分解プラスチック
通常の使用時にはプラスチックとしての機能・特性を持つ。
使用後、廃棄時には微生物の働きにより分解し、最終的には、水と炭酸ガスに変化するもの。
【代表的な生分解プラスチック】
- ポリ乳酸
- ポリカプロラクトン
- ポリブチレンサクシネート
- ポリエチレンサクシネート
- ポリビニルアルコール
(ⅱ)バイオマスプラスチック
今までは石油などの枯渇が懸念される材料を基にプラスチックは生成されてきました。
バイオマスプラスチックは、再生可能な資源「バイオマス」を基に生成されるプラスチックをいいます。
バイオ燃料として注目されるバイオエタノールからエチレンやPPを生成することです。
実際は、バイオエタノールの原料となる穀物が大量に必要になることから、人類の食糧問題に支障をきたすであろうと懸念されています。
しかし、石油などの化石燃料以外を基に作成する事ができれば、地球温暖化にも大きく貢献します。