プラスチックの成り立ち

プラスチックの教科書 2.プラスチックの歴史 技能検定 射出成形 1級2級

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プラスチック・ファン

特級技能士が教える技能検定対策 「射出成形作業」

にお越しいただきありがとうございます。

 

プラスチック成形の仕事をする上で、必要な知識をまとめた

 

【プラスチックの教科書】

 

を作っていこうと思います。

 

第2回は「プラスチックの歴史」です。

 

初心者でもわかる様に簡単にわかりやすく解説していきます。

中級者、ベテランには、「そんなの知ってるよぉ」という内容です。

自身の知識の再確認としてお使い下さい。

 

一緒に、プラスチックの勉強をしていきましょう!!

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前回のおさらいはこちらから

第1回 プラスチックとは

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1.プラスチックの歴史

現代社会において、生活の隅々にプラスチック製品はいきわたっています。

プラスチックのなかった時代は、

  • 木材
  • 金属
  • ガラス
  • 陶器、磁器 など

が主原料となって製品が作られていました。

プラスチックの誕生以来、プラスチックのメリット

  • 安価
  • 量産性
  • 自由なデザイン

により、プラスチックの置き換わってきたということです。

天然樹脂(松ヤニ、漆、琥珀、生ゴム)の性質を

  • 扱いやすく
  • 大量に

人工で作ってしまおうというのが、開発の流れです。

そんなプラスチックの歴史を見て行きましょう。

・起源は、セルロイド

1869年 アメリカ ジョン・ハイアットによりセルロイドという熱硬化性樹脂が開発されました。

開発の経緯は、当時アメリカ社会では「ビリヤード」が大流行していました。

ビリヤードの球は、象牙でできており貴重な象牙はあっという間に品薄になったそうです。

象牙の代替えとしてセルロイドが誕生したわけです。

セルロイドは、ニトロセルロース(硝酸繊維素)という火薬にも使われる原料を使用していたため、非常に燃えやすい性質(欠点)があります。

現代でも、セルロイドは使用されています。

卓球のピンポン球は、現代でもセルロイドでしか作れません。

厳密に言えば、セルロイドの作成には天然のセルロースが使用されていることから完全な人工樹脂とはいえません。

半合成プラスチックと呼ばれます。

・最初の人工プラスチック フェノール樹脂

1909年 アメリカ ベークランドが、フェノール樹脂という熱硬化性樹脂を開発しました。

フェノールとホルムアルデヒドを原料とした最初の合成樹脂です。

松ヤニによく外観が似ていることが特徴です。(茶透明色)

ベークライトと名付けられフェノール樹脂は広く使用されていきました。

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・第二次世界大戦以降

1900年代に入り、石油化学工業の発展に伴い、アメリカ、ドイツを中心に様々な合成樹脂が開発されていきます。

工業化年 プラスチック名 初工業化した国
1870 セルロイド アメリカ
1909 フェノール樹脂 アメリカ
1930 ポリスチレン ドイツ
1938 ポリエチレン イギリス
1941 ポリアミド アメリカ
1948 ABS樹脂 アメリカ
1953 ポリアセタール アメリカ
1957 ポリプルピレン 伊 独 米
1958 ポリカーボネート ドイツ
1970 PBT アメリカ
1980 PEEK イギリス

表を見てわかる通り、現代のプラスチック産業でメインで使用されている原料は、ここ100年の間で開発されてきました。

プラスチックの利便性の高さが世界に一気に普及していきました。

各産業で、既存の製品がプラスチックに置き換わっていくわけですね。

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プラ太郎

プラ太郎

「射出成形業界を繋ぐ」プラファン運営者|特級技能士|若手に向けて射出成形スキルを熱血発信|俺たちの仕事 射出成形は超カッコいい|射出成形機をモチーフにしたプラモデルPLAIVE|

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