低圧金型保護とは
射出成形加工における低圧金型保護とは、金型を閉めていくときに異常があると、高圧型締を中止する安全機能です。
低圧金型保護設定 | 特徴 |
きつい | 金型に挟み込みがないのに、金型自身の閉まる抵抗に反応してアラームがでてしまいます。 |
あまい | 金型に異物を挟み込んでいるのに、そのまま高圧型締めしてしまい、最悪の状況では金型をつぶしてしまいます。 |
低圧金型保護条件の設定ポイント
通常は、金型が閉まっていき、ピタッと合わさった時点で高圧型締されます。
低圧金型保護とは、高圧型締前に、何か挟み込んでいる時、停止する保護機能です。
高圧型締直前の10mm程度は、型閉めする力を限りなく低圧、低速に設定します。
一般的に、低圧金型保護は、タイマーで監視します。
一定時間内に金型が閉まり切らなかったらアラームが鳴るシステムです。
金型が閉まっていき、高圧型締に至ると型閉め完了です。
通常の型閉め時間+1秒程度で監視し、超えればアラームが鳴ります。
低圧金型保護が発生する例
実際に金型保護が起こる事例を紹介します。
- 金型の一部が破損している
- 前ショットの製品が残っている
- 取り出し機の部品が外れて金型内に落ちてしまっている
- 立ち上げから数ショット後に、金型が熱膨張してパーティング位置がかわった
低圧金型保護条件と成形不良の関係
低圧金型保護条件と成形不良の関係は下記の通りです。
①サイクルアラーム
低圧金型保護の設定がきついと、金型に異常がなくてもアラームがでてしまいます。
□対策
基本的に、金型を安全に取り扱うために必要な機能ですが、過剰な金型保護設定は不要です。
必要最低限の保護圧力を設定しましょう。射出成形においてチョコ停が起こると、樹脂は滞留して変色したり、粘度が下がり立ち上げ時にオーバーパックしたり、二次災害に波及することがあります。
できる限り連続成形が理想です。
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