射出成形のゲートシール時間とは
射出成形加工におけるゲートシール時間とは、ランナーから製品部への入り口であるゲートが、固化するまでの時間です。
ゲートシール時間は、保圧時間を設定する目安になります。
ゲートシール時間の調べ方
ゲートシール時間は、ゲートが固化する時間です。
保圧時間を徐々に上げて製品をサンプリングしていき、成形品の重量が増えなくなった時に、ゲートシールしたと判断します。
ゲートシール時間の調べ方は、成形機の大きさが違っても、基本的な考え方は一緒です。
ゲートの形状や、使用する樹脂、成形品の大きさなどによって、ゲートシール時間は異なります。
ゲートシール時間を調べてみよう
試作型や、移管型を、初めての成形する時に必要になる、ゲートシール時間を調べてみましょう。
まず、前提として
仮条件で製品に充填していきます。
製品の90~95%まで充填したところをVP切り換え位置として、保圧に切り替えます。
ショートがない状態まで充填します。
step
1保圧を短い時間かける
製品のヒケ状態を目視で確認し、許容できる程度の保圧を短時間でかけます。
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2徐々に保圧時間を上げていく
保圧時間を上げていくと、比例して製品重量も上がっていきます。
step
3重量が変わらなくなる点を見極める
ある一定の時間以降は製品重量は安定します。この重量が安定した時間がゲートシール時間です。
ゲートシール時間と保圧時間の関係
一般的に、
合計保圧時間 = ゲートシール時間 × 1.1と言われています。
ゲートシール時間計測の実例
保圧時間を上げていった時の、製品重量の推移は下記の通りです。
保圧時間(sec) | 製品重量(g) |
0.5 | 100.1 |
1.0 | 100.3 |
1.5 | 100.6 |
2.0 | 100.8 |
2.5 | 100.9 |
3.0 | 101.0 |
3.5 | 101.1 |
4.5 | 101.2 |
5.5 | 101.2 |
6.0 | 101.2 |
この場合、4.5(sec)から製品重量が変化していません。
保圧をかけてから4.5秒でゲートが固化し、それ以上の樹脂が充填できなくなっていることがわかります。
保圧時間の適正値は
4.5×1.1=4.95(sec)ですので、5.0(sec)になります。
注意ポイント
- ゲートシール時間は、金型温度や、樹脂のスクリュー内滞留時間によって大きく変化します。連続成形中にサンプリングをして下さい。
- 仮基準の充填速度や保圧を変えてしまうと、このゲートシール時間も変わってきます。