VP切り換え位置とは
射出成形加工におけるVP切り換え位置とは、金型に樹脂を充填する時、速度制御で充填する9割と、保圧力で充填する残りの1割の切り換え位置です。Vはバーティカル、Pはプレッシャー双方の頭文字に由来します。
VP切り換え位置設定 | 特徴 |
早い、手前 | 9割程度を速度制御で入れたいところ、早い段階で圧力制御に切り換わると、失速しショートします。 |
遅い、奥、先端側 | 速度制御の速い流れの充填量が増えますので、バリは発生しやすくなります。 |
VP切り換え位置条件の設定ポイント
速度⇛保圧に切り替える位置を、VP切り換え位置と呼びます。
金型内に90%程充填したら、保圧に切り替えます。
条件出しする時は、VP切り換え位置まで充填し、保圧を0Mpaに設定します。
VP切り換え位置まで充填した時、製品を見てどの位充填されているか把握しておきましょう。
VP切り換え位置条件と成形不良の関係
VP切り換え位置の条件設定に起因する不良を解説していきます。
①ショート、湯ジワ
薄肉成形品の場合、射出速度を高めて充填します。
VP切り替え位置が、早すぎる(手前すぎる)と充填末端部まで、充填しないことがあります。
充填末端部では、ショートや湯ジワが発生します。
□対策□
VP切り替え位置を、少し先端側(奥)にして、射出速度で充填する割合を増やします。
②オーバーパック
VP切り換え位置の入力を忘れてしまうと、計量完了位置から加充填になるまで、勢いよく充填してしまいます。
特に立ち上げ時に、うっかり忘れがないように再確認して気をつけましょう。
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