計量(スクリュー回転)とは
射出成形加工における計量とは、加熱筒内で1ショット分の樹脂を溶融して準備することです。
計量設定 | 特徴 |
速い | 無駄に速い計量は、スクリュー先端、加熱筒の傷につながります。 冷却時間に比べて計量時間が短いと、樹脂が滞留し変色したり、練りこみ異物の原因になります。 |
遅い | 遅い計量では、冷却時間内に計量できません。 冷却時間が伸びてしまうので、製品の寸法が大きくなります。 |
計量条件の設定ポイント
計量の目安は、冷却時間内に計量完了位置まで計量が完了していることです。
計量は、ゆっくりスクリュー回転させたほうが、より均一に溶融できます。
スクリュー回転数に応じて、時間単位の量は変化します。
スクリュー回転速い⇛短時間で多く計量できる。
スクリュー回転遅い⇛計量するのに時間がかかる。
簡単な計量時間のイメージは、冷却時間 − 1秒位が理想です。
ポイント
連続成形中に、原料切れしてしまった時、
自動運転しているとそのまま永遠にスクリュー回転を続けてしまいます。
スクリュー先端の逆止リングが空回りすると、
逆止リングと加熱筒内側が削れてしまいます。
削れた金属片が製品に練り込まれてしまいます。
そうなってしまっては、加熱筒を分解、部品交換や修理が必要です。
必ず全自動運転中は、計量時間の監視をしましょう。
計量条件と成形不良の関係
計量条件と成形不良の関係は下記の通りです。
①色ムラ
計量が速すぎると、樹脂の混錬が不十分で色ムラになります。
□対策
冷却時間内に計量が終わる程度の回転数に設定して、ゆっくり混錬することで改善します。
②金属片
原料切れの空回りは、逆止リング、加熱筒内側を傷つけてしまいます。削れた金属片は、成形品に練り込に異物としてでてきます。
□対策
計量時間の監視をいれて、空転した瞬間に機械が停止することで予防します。

成形条件の作り方
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