成形条件

射出成形における背圧の成形条件

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背圧とは

射出成形加工における背圧とは、計量時スクリュー後方から前へ押す力です。

背圧設定 特徴
高い 計量時間が長くなり、樹脂の密度が高くなります。ギュウギュウに詰まっている状態です。
低い 計量時間は短くなり、樹脂密度は低くなります。スカスカの状態です。

 

背圧条件の設定ポイント

計量時、適度な背圧が必要です。逆に、必要以上の背圧は不要です。

・エアーの巻き込み予防
・溶融混練の効果UP
・計量樹脂の密度安定

 

また、背圧の大きさで、計量時間も変わります。

背圧が高い:計量に多く時間がかかる
背圧が低い:簡単に計量完了位置まで計量できる

 

背圧条件と成形不良の関係

背圧条件と成形不良の関係は下記の通りです。

①鼻たれ

背圧が高いと、製品取出し後にスプルーから鼻たれします。

□対策

サックバックを多くとったり、背圧を下げることで改善します。逆にガスを巻き込みシルバーになったり、混錬密度が減り重量下限になりますので、バランスを考えて調整が必要です。

②ショート

背圧が低いと計量した樹脂の密度がスカスカです。立ち上げ時に、背圧を下げて計量したまま、設定値を戻し忘れると、背圧が効かなくずっと製品がショートします。
まさか設定を戻し忘れるとは思っていないので、ショートの原因がつかめないことがあります。

□対策

背圧設定の戻し忘れです。うっかりミスに注意してください。

③重量不足

成形品の重量が下限ぎりぎり。でもバリが出ている。計量完了位置を上げると、重量は重くなると同時にバリも大きくなってしまいます。

□対策

背圧を高めることで改善することがあります。樹脂の密度が高まることで重量があがり、バリはそのままの状態をキープできます。

プラ太郎
成形条件出しのコツをシェアしています。『転ばぬ先の技術』悩んだ時の参考にしてみてください。

成形条件の作り方

【保存版】射出成形 成形条件の作り方 条件出しの基本 特級技能士が徹底解説

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射出ユニットの成形条件

射出ユニットの成形条件は、加熱筒で樹脂を溶かして、金型に高速で充填する設定です。

  1. 加熱筒温度
  2. 計量完了位置
  3. 射出圧力(1次圧)
  4. 射出速度
  5. VP切り換え位置
  6. 保圧(2次圧)
  7. 保圧時間
  8. ゲートシール時間
  9. 冷却時間
  10. 計量(スクリュー回転)
  11. 背圧
  12. サックバック

型締めユニットの成形条件

型締めユニットの成形条件は、金型の開け閉め、EJの前後進する設定です。

  1. 型締力
  2. 低圧金型保護
  3. 型開閉
  4. エジェクター(エアーエジェクター)
  5. スライドコア
  6. ねじ抜き装置
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プラ太郎

プラ太郎

「射出成形業界を繋ぐ」プラファン運営者|特級技能士|若手に向けて射出成形スキルを熱血発信|俺たちの仕事 射出成形は超カッコいい|射出成形機をモチーフにしたプラモデルPLAIVE|

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