技能検定 射出成形技能士とは? プラスチック成形 射出成形作業の難易度 日程・試験内容・合格率・資格手当 徹底解説

プラ太郎@特級プラスチック成形技能士

  • 一部上場企業 射出成形工場勤務
  • 実家は、成形機販売商社で機械メカニック
  • 2級 1級 特級 全て1発合格
  • 特級取得 35歳。県内1位表彰
  • 2017年から射出成形の情報発信をコツコツ継続中

お取引先:ミスミ様(記事寄稿、写真動画提供)MAZIN様(記事寄稿、技術提供)日刊工業新聞社様(『型技術』寄稿)、RX Japan様(展示会インタビュー、セミナー登壇)

技能検定 プラスチック成形 射出成形作業に関して解説します。

こんな方におすすめ

  • 射出成形技能士ってどんな資格?
  • 技能検定 射出成形作業の試験内容は?
  • 技能検定 射出成形作業の難易度は?
  • 資格手当や待遇UPはあるか?

資格サイトでは伝わらない 技能検定 プラスチック成形 射出成形作業リアル難易度をシェアします。

目次

1.技能検定 プラスチック成形 射出成形技能士とは

技能検定 プラスチック成形 射出成形作業試験の合格者が手にする国家資格です。
学科試験実技試験の2つに合格することが必要です。

合格者は各等級に応じて技能士を名乗れます。

  • 特級:プラスチック成形技能士
    (特級は、インフレーション成形、ブロー成形も統一し、特級プラスチック成形技能士になります。)
  • 1級:射出成形技能士
  • 2級:射出成形技能士
  • 3級:射出成形技能士

\射出成形業界において、技能士は花形資格|知識と技術の証明書/

2.技能検定 プラスチック成形 射出成形作業 試験内容は?

技能士バッジ

技能検定 プラスチック成形 射出成形作業は、プラスチック成形職種内の1種です。
(プラスチック成形には、射出成形作業、インフレーション成形、ブロー成形があります。)

①等級区分・実務経験

技能検定は、試験基準が下図の通り区分されています。
射出成形の実務経験は、射出成形に関する企業に勤務していれば、カウントされます。

等級実務経験のみ下位級取得の場合
2級2年以上※又は、3級取得後0年
1級7年以上又は、2級取得後3年

(※3級は後期試験ですので、
例えば、2000年度後期3級合格後⇛2001年度前期2級受験可能という意味です。)

射出成形作業に関わりのない部署に配属していても、在職期間を満たせば試験応募は可能です。

何級から受験すべきか?
・試作や条件出しに慣れている方→1級
・条件出しが不慣れ、製造に携わっていない→2級

ポイントは実技試験
1級:PS・PC 40個ずつ
2級:PS・ABS 20個ずつ

実務で試作や条件出しに慣れていないと、手際が悪く時間切れです。

②射出成形作業の試験日程

プラスチック成形 射出成形作業 開催日程

前期試験

(一部地域は、後期試験で実技試験のみ実施)

(ⅰ)開催等級1級、2級、3級
(ⅱ)試験案内開始3月1日
(ⅲ)申込受付期間4月上旬
(ⅳ)実技試験問題公表5月末
(ⅴ)実技試験6月〜9月
(ⅵ)学科試験8月〜9月
(ⅶ)合格発表9月末

後期試験

(ⅰ)開催等級特級、1級2級(実技試験のみ)、3級
(ⅱ)試験案内開始9月1日
(ⅲ)申込受付期間10月上旬
(ⅳ)実技試験問題公表11月末
(ⅴ)実技試験12月〜2月
(ⅵ)学科試験1月〜2月
(ⅶ)合格発表3月中旬

全ての都道府県で実施されるわけではありません。
一部地域では、前期試験実施する他に、後期試験で実技試験を実施します。

事前に、各地域の職業開発能力協会HPからご確認ください。

注意ポイント
受験申請期間が2週間ほどです。仕事に追われ後回しにして申請漏れに注意
【申請手続きの流れ】
①申請用紙の入手
②申請用紙の記入
③受験料の振込
④申請用紙の提出か郵送

③受験手数料

都道府県職業能力開発協会が実施する職種
* 学科試験受検手数料:3,100円
* 実技試験受検手数料:17,900円
※上記の標準額を目安に都道府県によって異なる場合があります。
詳しくは都道府県または都道府県の職業能力開発協会へお問い合わせください。

日本でものづくり分野に従事する若者の確保・育成を目的として、
35 歳未満の方が技能検定を受検する際に、実技試験の受検手数料が最大 9,000 円減額されます。
対象は、受検案内等に示されるものづくり分野の職種で、2級又は3級の実技試験です。
なお、従来から、都道府県によっては、3級の在校生を対象として、実技試験の受検手数料を減額していることがあり、
2つの減額を合わせて受けられます。詳しくは、都道府県の受検案内をご覧ください。

④射出成形作業 学科試験の内容

学科試験は、マークシート方式のテストです。

合格点65点 / 100点

学科試験の特徴

■範囲が広い■

学科試験で問われる知識は範囲が広い

試験科目で8分類

  1. 共通
  2. 成形加工法
  3. 成形機
  4. 金型
  5. 材料
  6. 関連JIS
  7. 製図
  8. 関連法令
■専門的な問題■

射出成形工場の現場で身につけた知識だけでは、絶対に解けません

2級は、一般的な問題、概要
1級は、一般的な問題、概要に加えて、専門的な知識

と説明されていますが、
聞いたこと無い言葉が多くて驚くことと思います。

理由は、射出成形と言っても業界や成形法によって全く異なるからと考えます。

例えば、

  1. 超精密小型成形機で医療部品
    30tの成形機で、1個5g、針穴が0.35Φ
  2. 車のバンパー
    2000tの成形機で、製品は1個5kgで外周のバリ取り追加工有り

この2種類をとっても、成形ノウハウや管理方法は全く異なりますね。

  • 成形機の大きさ/必要な付帯設備
  • 成形品の品質レベル
  • 成形法
  • 段取り方法/手順
  • 金型の構造
  • 材料 添加剤  など

勤め先によって、知識に偏りが出てしまうものです。
射出成形の問題と定義されても「えっ?!初めて聞く言葉なんだけど、、、」となってしまいます。
学科試験に合格するには、射出成形の知識を網羅する必要があります。

学科試験は、範囲が広く専門的な問題が出題されます。
1級、2級共に試験勉強しないと合格はできません。

⑤射出成形作業 実技試験の内容

実技試験は、射出成形機を使用し、指定個数製品を作成し、寸法測定や計算問題をします。

合格点: 60点 / 100点

  • 1級
    指定された2種類の熱可塑性樹脂を用いて、射出成形により箱状の成形品正しい作業手順にて製作し、
    成形収縮率計算票」及び「材料歩留り率計算票」を作成する。PS、PCを各40個。
    標準時間 3時間10分(3時間40分
  • 2級
    指定された2種類の熱可塑性樹脂を用いて、射出成形により箱状の成形品正しい作業手順にて製作し、
    成形品の寸法測定を行う。PS、ABSを各20個。
    標準時間 2時間30分(3時間
等級X材Y材標準時間打ち切り時間
1級PS 40個PC 40個3時間10分3時間40分
2級PS 20個ABS 20個2時間30分3時間

実技試験の特徴

実技試験で求められる技能は、【射出成形作業】です。

時間内良品と思う製品を必要個数成形することを基本に、安全に作業がポイントです。

1級2級共に、受験者の半数以上が制限時間打ち切りで失格となる試験ですので、いかに手際よく工程ごとにこなせるかを意識しましょう。

実技試験が難関ポイントです🔥

私の同僚に、1級合格するまでになんと8年かかった人がいます

・受験者の半数以上は、時間切れ失格
・多くの減点ポイント
・成形品質の見極めが難しい
・適正作業がわかっていない など

とにかく合格できない!!」 難関だからこそ優遇される花形資格🌸

3.1級2級 射出成形作業の合格率は?

受験者と合格者データを見て行きましょう。(令和4年07月執筆時)

1級 射出成形技能士の合格率

平均 合格率 24.7%(直近5年)

令和3年度 前期 282 / 1,138名 合格率 24.8%
令和2年度 前期 未開催
令和元年度 前期 385 / 1,575名 合格率 24.5%
平成30年度 前期 427 / 1,570名 合格率 27.1%
平成29年度 前期 372 / 1,627名 合格率 22.9%
平成28年度 前期 412 / 1,703名 合格率 24.2%

4人に3人が不合格
受験者の多かった平成28年度は、なんと、1,291名が不合格です。

 2級 射出成形技能士の合格率

平均 合格率 35.0%(直近5年)

令和3年度 前期 846 / 2,633名 合格率 32.1%
令和2年度 前期 未開催
令和元年度 前期 1,090 / 3,029名 合格率 36.0%
平成30年度 前期 1,081 / 3,020名 合格率 35.8%
平成29年度 前期 1,079 / 2,947名 合格率 36.6%
平成28年度 前期 1,007 / 2,901名 合格率 34.7%

3人に2人が不合格
受験者の多かった平成30年度は、なんと、1,939名が不合格です。

4.1級2級 射出成形作業の難易度は?

技能検定のパンフレットに、技能検定の位置づけがこの様に紹介されています。

技能検定とは、働く人々の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明する技能の国家検定制度

技能士は、知識と技術を、国が認めた証です。簡単には合格できません。
これまで2級1級特級を全て1発合格してきた現役技能士が難易度を解説します。(プラ太郎の主観です。)

射出成形技能士 難易度 判定基準

受験資格=実務経験です。

その実務経験期間中に、実務から習得できる技能合格に必要な技能難易度を★3つで比較します。

評価基準
★3つで評価していきます。

易しい ★  
普通  ★ ★ 
難しい ★ ★ ★

②技能検定 射出成形作業 難易度

【技能検定 射出成形作業難易度】

等級試験資格レベル学科試験実技試験
2級実務経験2年以上
又は、3級合格後0年
中級者
1級実務経験7年以上
又は、2級合格後2年
上級者★★★
特級1級合格後5年管理者

2級 射出成形作業 難易度

2級難易度
学科試験易しい
 ★ ★
実技試験普通
★ ★ 

難易度は、経験相当です。受験資格の実務経験2年以上の通り。
射出成形の現場作業を一通りできる様な、中級者向けの試験難易度です。

近年の合格率は、3人中2人が不合格です。

2級 学科試験
試験科目の範囲は広いが例年出題される傾向はあります。
過去問題を数年分繰り返し解くことで、合格に必要な知識を習得することが可能です。
当日一発勝負では、合格は難しいでしょう。
過去問題集を繰り返し解き、試験対策をしましょう。

2級 実技試験
2級は、PS、ABS樹脂を20個ずつです。
・2種類の原料は、温度帯がほぼ一緒
・試験時間は、余裕がある

安全作業遵守し、ある程度の練習をすれば合格可能です。

ただし、受験者の半数以上は、時間切れの失格です。
色々な要因がありますが、受からない人は、何年受験しても合格できません

1級 射出成形作業 難易度

1級難易度
学科試験易しい
★ ★
実技試験難しい
★ ★ ★

難易度は、経験年数相当ですが、標準作業順守出来ているかが問われます。

実務経験7年以上(2級合格後2年以上)は、上級レベルの位置づけです。
近年の合格率は、4人に3人は不合格です。

1級 学科試験
2級受験を経験された方でしたら、イメージは少し難しくなる程度です。
全体的に射出成形の専門的な問題が出題されます。
1級から受験される方には、覚えることが多くて困惑されることと思います。

例年出題される傾向はありますので、
過去問題を数年分解くことで、合格に必要な知識を習得することが可能です。

1級 実技試験
実技試験が難関ポイントです。1級実技試験は「難しい」レベルです。

2級と比較してはるかに難易度は上です。
PS、PCの40個ずつは、受験生の半分以上が時間切れです。
綿密にシュミレーションをして、確実に作業をしなければ、合格できません。

5.特級プラスチック成形技能士 難易度は?

特級難易度
学科試験難しい
★ ★ ★ 
実技試験難しい
★ ★ ★

難易度は、難しいです。

■受験資格
1級合格後5年

■資格内容
2級 1級 射出成形作業の試験と、全くの別物です。
現場の知識技術でなく、管理者として持つべき知識技術が焦点です。
その範囲は、「管理」に関するものです。

学科実技ともにペーパーテストです。

  • 工程管理
  • 作業管理
  • 品質管理
  • 原価管理
  • 設備管理
  • 安全衛生管理及び環境の保全

事前の試験対策勉強をしなくては、絶対に合格できません

1級合格5年後から受験可能ですが、
現場作業をしている1級技能士は管理スキルを習得できません

また、主任、課長など管理者側に就いたとて
実務から、特級で問われている広範囲で専門的な知識は、絶対に網羅できません

膨大な知識ノウハウを勉強するには、勉強時間の確保がポイントです。

仕事から帰宅するころには、もう眠くなってしまいます。
この勉強時間の確保ができません。
限られた時間の中で、いかに効率よく学んでいくかがポイントです。
あとは眠気との戦いです。

スキマ時間を利用してコツコツ知識を蓄積していきましょう。

6.技能士資格手当はあるの?

技能士資格に関する、手当が支給される例をご紹介します。

①技能士資格取得の考え方

技能士資格は、免許ではないので射出成形作業をする上で必須ではありません
技能士資格は、作業に従事する人の地位向上スキルの見える化モチベーションUP、待遇改善を目的に設定された国家資格です。

技能士資格制度がある職種の中で、射出成形業界は、とても優遇されます。

技能士資格は、個人に属する資格です。

ただし、技能士制度を、射出成形技術習得教育の一環と考える企業もあります。
または、お客様にむけて、技能士の人数が技術力の証教育意識の高さを意味し、営業目的にも使用されます。

その背景から、事業所によって技能士資格の捉え方が異なります

②技能士資格の手当や待遇UP

(ⅰ)資格取得を補助

技能士制度を活用して、社員教育をしている企業は、受験料(一部、全額)を補助してくれます。

(ⅱ)資格手当支給

資格取得後に合格手当として一時金が支給されたり、月毎に資格手当が支給されます。

企業によって幅はあります。

  • 2級
    3,000〜20,000円
  • 1級
    5,000〜50,000円

(ⅲ)管理職へのキャリアアップ

技能士資格は、射出成形業では花形資格です。
現場で必要な知識技術の証明ですので、登竜門として管理者へのステップアップとして使われます。

(ⅳ)希望部署移動

他部署に従事している中で技能士資格を取得すると、射出成形製造、開発など、射出成形実務へ部署移動が可能になることがなります。

(Ⅴ)転職に有利

射出成形のプロフェッショナルの証明書は、転職にとても有利です。

初心者⇨経験者⇨資格者

この順に給与が変わります。
技能士資格を取得し、待遇に納得がいかなければ、他の企業に転職しましょう。
今は、どの企業も即戦力がほしいものです。

7.実技試験 対策

技能検定 1級2級 プラスチック成形 射出成形作業
実技試験 合格マニュアル

「技能士になったら 人生が変わる」「遊びじゃない。ライバルに差をつけろ。」

本サイトを2017年から運営してきた集大成です。

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8.技能検定 射出成形作業のよくある質問

皆が悩むよくある質問をまとめています。

講習会はありますか?

各地域(都道府県)のプラスチック工業会・工業振興協会で開催されています。

地域外で受験可能ですか?

射出成形作業がない地域は近隣の地域で受験可能です。地域の職業能力開発協会に問い合わせてください。

実技試験の成形機は選択可能ですか?

地域によります。複数個所で受験地があったり、その中でも複数種類の射出成形機があります。各地域の職業能力開発協会に問い合わせてください。

合否発表後、点数教えてもらえますか?

合否発表後、数週間は電話や直接協会に赴いて教えてもらえます。(減点内容など詳細は除く)

技能士資格に意味はありますか?

はい。射出成形業界、別の製造業でも優遇されます。

他部署でも合格できますか?

はい。学科試験は過去問を繰り返し勉強することで合格できます。実技試験は、試験前に現場で特訓が必要です。社内の先輩やベテランに習ってスキルを習得しましょう。

実技試験の練習はどうすればよいですか?

基本的には、勤め先での練習になります。
(私個人的には、知り合いの成形工場で半年間修行させてもらって合格しました。)

何回受けても合格できません。どうしてなんでしょうか?

実技試験は減点式です。適正作業と減点ポイントがわからないと合格できません。
その他、成形品質の見極め、時間管理がポイントになります。

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この記事を書いた人

「射出成形業界を繋ぐ」プラファン運営者|特級技能士|若手に向けて射出成形スキルを熱血発信|俺たちの仕事 射出成形は超カッコいい|射出成形機をモチーフにしたプラモデルPLAIVE|

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