エジェクターとは
射出成形加工におけるエジェクターとは、金型から製品を突き出す機構のことです。
エジェクター設定 | 特徴 |
長い | 必要以上の突き出し距離は不要です。タイムロスになります。 |
短い | 製品を突き出せないと、取り出せません。適正な突き出し距離の設定をしましょう。 |
一般的に、エジェクターは、3種類です。
- 突き出しピン
丸ピンや角ピンなどで物理的に押します - ストリッパープレート
プレートを動かして製品を押します - エアエジェクタ−
エアーの力で製品を押します
目次
エジェクター条件の設定ポイント
エジェクターの目的は、製品の離型です。製品が取り出せるように、適切な量を突き出します。
自重落下の製品のエジェクター条件
自重落下製品は、複数回突き出して、確実に突き落とします。
金型内に残ってしまうと、次サイクルで金型に挟まってしまいます。
冬場は、乾燥して静電気の影響が強くなります。除電気を使用して確実に落下するようにしましょう。
取り出し機で、吸着・チャックする製品のエジェクター条件
エジェクター前の保持時間を設定したり、エジェクター前進限で保持時間を設けるなど、タイミングを合わせが重要です。
突き出しピン、ストリッパープレートの条件設定手順
下記手順で設定していきます。
- 製品が離型する位置を確認する。
- 突き出し条件を設定する。
・突き出す力、速度は、優しく、ゆっくりが基本です。強い力、速い速度で突き出すと製品が変形したり、エジェクターピンが折れてしまいます。
・突き出し戻りは、速戻しが基本です。ゆっくり戻すとバランスを崩して、かじることがあります。エジェクタープレートのガイドにはスプリングが入っており、均等に戻る様に設計されています。 - 必要に応じて、多段突き出しや、後退限まで戻らないで複数回突き出しが有効です。
エアエジェクターの条件設定手順
エアーの力で製品をエジェクトする金型もあります。
エアーエジェクターの条件設定手順は下記の通りです。
- エアーの吹き出しに詰まりがないか確認します。
(吹き出し部の金型消耗⇛エアー内に含まれる水分で摺動が悪くなる。) - 多点エアーの時は、エアー量のバラツキがないか確認します。
バラツキが有る時は、スピコンを付けて吹き出し量のバランスを調節します。
エジェクター条件と成形不良の関係
エジェクター条件と成形不良の関係は下記の通りです。
①製品の傷
突き出し速度が速すぎると、製品に傷がつくことがあります。
□対策
製品に傷が入らない程度の突き出し速度に設定します。
②取出しミス
突き出し位置とタイミングがずれることで、取出しミスが発生します。
□対策
突き出し速度、位置を調整して取出し時のタイミングが最適になるよう調整します
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