型開閉とは
射出成形加工における型開閉とは、金型を開け閉めすることです。
型開閉設定 | 特徴 |
速い | 製品に傷がつく、金型摺動部(しゅうどうぶ)に負荷がかかり かじる。 |
遅い | サイクルが伸びる。 |
型開閉条件の設定ポイント
型開閉条件は、位置と速度を決めます。
型開閉時間は、1サイクル時間に直結しますので、出来る限り最速が理想です。
基本的な考えは、キャビ、コアが重ならない位置では、高速です。
キャビコアが合わさる位置は、ゆっくり開閉します。
金型を閉めるとき、開けるときの条件は、異なります。
特に開けるときは、製品が入っているので、傷がつかないように注意が必要です。
型開閉条件で考慮するべき事項
金型は、いろいろな部品が組み合わさって組み立っています。
下記を注意して設定します。
- 金型の形状
2プレート
3プレート - 金型摺動部(しゅうどうぶ)
スライド
ねじ抜き
油圧コア
型閉め 条件の設定手順
金型の形状構造によって異なりますが、基本的な設定方法を下記に解説します。
- 低速金型モードを閉じていきます。
- 型閉め動作の各位置を確認し、適切な速度を設定していきます。
型開き完了 ➡ ガイドピン挿入 ➡ キャビコア合わさる ➡ 型締め完了10mm前 ➡ 型締完了 速い 少し低速 さらに低速 かなり低速低圧 ※速度変化点を通過すると速度が変化しますので、各位置を通過する速度が重要です。
- 型閉め完了前10mmからは、低速低圧で閉めます。(低圧金型保護)
(金型の形状や構造に合わせて10mmは微調整が必要) - 手動モードで実際の速度で閉めて動作確認します。
型開き 条件の設定手順
金型の形状構造によって異なりますが、基本的な設定方法を下記に解説します。
- 低速で金型を開いていきます。
- 型開き動作の各位置を確認していきます。
各位置の手前を速度変化点に設定します。型開き完了 ⇚型開き完了前 ⇚キャビコア抜け ⇚型開き5~10mm ⇚型締め完了 低速 高速 少し低速 かなり低速 ※型開きからキャビコアの離れる位置は、金型によって様々です。(3プレート金型、スライド有り金型など)
製品が傷つくことなく、安全に開けることが重要です。
※型開き完了位置手前に速度変化点を設ける理由は、型開き完了位置のオーバーランを予防するためです。 - それぞれの位置で、安全に開ける速度を入力していきます。
- 手動モードで実際の型開き動作を確認します。
型開閉条件と成形不良の関係
型開閉条件と成形不良の関係は下記の通りです。
①離型傷
金型開き時、速度が速すぎると製品部に傷がつくことがあります。
□対策
型開き開始から製品抜け位置までの速度をゆっくりに設定します。
②型開き完了位置のバラツキによる取出しミス
油圧式射出成形機は、油圧温度や、外気温によって型開閉動作にばらつきがでます。
特に、立ち上げ時や、大型成形機はばらつきが大きい特徴があります。
バラツキにより取出し位置がずれ、取出しミスが起こります。
□対策
型開き完了位置手前から減速し、型開き完了位置のばらつきを抑えます。
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