技能検定 1級2級 射出成形作業 実技試験 合格マニュアル(特級技能士プラ太郎 著)実技対策note累計500本突破

成形条件

射出速度とは?射出成形の多段速度の決め方|フローフロント・1次圧・シルバー対策

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結論:射出成形の射出速度とは

  • 射出速度とは、計量完了位置からVP切り換え位置まで、金型に樹脂を充填する速度です。充填の約90%を速度で管理します。
  • まずは1次圧が十分か。1次圧が足りないと速度が立たず、設定速度をいくら上げても実速は上がりません。
  • スクリュー位置と充填位置を重ねてイメージし、速度を多段で切り替えます。
  • 速度は、あくまで設定するパラメータの1つ。必要以上に速くしない、薄肉部を無理に速度で押しこまない。樹脂温度・金型温度・ガスベントも一緒に考えます。

1.射出速度とは

射出成形における射出速度とは、金型に充填する速度です。計量完了位置からVP切り換え位置までの充填速度を射出速度といいます。保圧時の充填速度の設定もしますが、保圧は圧力でコントロールします。

射出速度 特徴
速い 製品が過充填になり、バリやオーバーパックになります。リブやボスでエアを巻きこみ、シルバーや気泡も出やすくなります。
遅い 充填途中で失速し湯ジワや、ショートします。

1-1.保圧速度とは

保圧に切り替わったあとにも、スクリューが進む速さの上限(保圧速度)を設定します。ただし、保圧の工程は圧力で管理するのが基本です。保圧速度は、保圧中にスクリューが急に進みすぎないようにするための設定です。

1-2.射出速度の計算

射出速度(mm/s)は、スクリューが前に進む速さです。1秒間に金型へ送りこむ樹脂の量(射出率)は、次のように計算できます。

射出率(cm³/s)= スクリューの断面積(cm²)× 射出速度(cm/s)

同じ射出速度でも、スクリューの径が大きい機械ほど、たくさんの樹脂が流れます。ほかの機械へ条件を移すときは、速度の数字だけでなく射出率で考えましょう。

2.まずは1次圧が十分か

射出速度を設定する前に、1次圧(射出圧力)が十分かを確かめます。1次圧が足りないと速度が立たず、設定速度をいくら上げても、実速は上がりません。設定速度に対して実速が出ているか、モニターや波形で確認しましょう。

▶ くわしくは:射出圧力(1次圧)とは?頭打ち・設定速度と実速

3.スクリュー位置と充填位置を重ねて、速度を多段で切り替える

射出工程(充填初期〜90%位まで)は、速度で管理するのが一般的です。金型内の形状によって、必要な速度は変わります。形状に合わせて多段的に、射出速度を設定していきます。

ポイントは、流れの先端(フローフロント)を意識することです。金型が閉じた状態では、製品部は空洞です。スクリューの位置と、樹脂がいま金型のどこまで充填されているかを重ねて想像し、場所ごとに速度を切り替えます。

スクリュー位置と充填位置を重ねて射出速度を多段で切り替える ゲートはゆっくり 薄肉部は速く リブボスは遅く VP切り換えで保圧

成形品の状態を観察しながら、1〜5段階の速度変化を付けて最善をつめていきます。

3-1.射出速度の設定 例

場所・症状 速度
ゲート通過 ゆっくり充填
肉が薄い形状(流れにくい) 素早い速度が必要(ただし無理に押しこまない/5章)
ガス逃げの悪い箇所 ゆっくり充填し、ガスを上手く逃がす
流れが悪く湯ジワ不良 速度を上げる
ボスやリブで分岐して、また合流する箇所の気泡不良 速度を遅くする
プラ太郎
成形品の形状を考慮して、できる限りシンプルな射出速度を設定しよう。

4.速度を必要以上に速くしない

金型に入った樹脂は、金型に触れた瞬間から固まっていきます。その固まった層の中心を、あとから来た樹脂が押し広げながら充填していきます。この流れ方をファウンテンフローといいます。

必要以上に速くすると、リブやボスなどの障害物のところでエアを巻きこみ、シルバーや気泡になります。

▶ 樹脂の流れ方は:【射出成形】樹脂の流れ方 ファウンテンフロー 金型内不良ポイントと対策

5.薄肉部は、無理に速度で押しこまない

薄肉部は流れにくいので、速度を上げたくなります。でも、無理に速度で押しこむのは禁物です。

  • ガスベントを強化する(ガスが逃げれば、樹脂は入る)
  • 金型温度を上げる(固まるのを遅らせる)
  • 樹脂温度を上げる(流れやすくする)

このように、多角的な視野で考えましょう。

6.速度はパラメータの1つ|複合的な管理をめざす

射出速度は、あくまで設定するパラメータの1つです。樹脂温度・金型温度も一緒に考えます。

  • 金型の形状、ガスの抜け具合はどうか
  • 充填しやすさは、もともと流れにくい形なのか、それとも設定によって流れにくくしているのか

複合的な管理をめざすには、まず知っておくことが重要です。どの条件が何に効いているのかがわかれば、迷わず調整できます。

7.射出速度と成形不良|よくあるトラブルと対策

7-1.シルバー

射出速度が速いと、製品表面や、リブやボス周辺にシルバーが発生します。充填時のガス巻き込み、ガス抜けを意識して射出速度を調整しましょう。事象箇所の射出速度をピンポイントで下げることで改善します。射出速度を下げることで、流動末端の流れが悪くなるので、ショート、湯ジワに気をつけましょう。

7-2.ウェルドライン

射出速度が速いと、袋小路や、ボスの周辺(流動が二手に別れた後の合流地点)において、ウェルドラインが強く出ることがあります。ガス抜けに対して射出速度が速いことが原因です。ウェルド発生箇所の射出速度を下げることで改善します。ゆっくり流してガス抜けを良くするイメージです。または、分岐から合流までに時間がかかっている時は、射出速度を速めて固化する前に合流させることも有効です。

7-3.速度を上げても変わらない

1次圧の頭打ちを疑います(2章)。薄肉部なら、ガスベント・金型温度・樹脂温度も見直します(5章)。

8.射出速度は技能検定でも大事

射出速度・多段制御・VP切り換えは、技能検定 射出成形作業の学科試験「成形加工法」の範囲です。実技試験でも、ショートショットで充填を見ながら速度を決めます。

まとめ

  • 射出速度は、充填の約90%を管理する速度。まずは1次圧が十分か
  • スクリュー位置と充填位置を重ねて、速度を多段で切り替える
  • 必要以上に速くしない。リブ・ボスでエアを巻きこみ、シルバー・気泡に
  • 薄肉部は無理に押しこまない。ガスベント・金型温度・樹脂温度で考える
  • 速度はパラメータの1つ。複合的な管理をめざす

全力で応援しています。

成形条件の作り方

【保存版】射出成形の条件出し手順|成形条件の作り方と成形条件表の見方を特級技能士が解説

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射出ユニットの成形条件

射出ユニットの成形条件は、加熱筒で樹脂を溶かして、金型に高速で充填する設定です。

  1. 加熱筒温度
  2. 計量完了位置
  3. 射出圧力(1次圧)
  4. 射出速度
  5. VP切り換え位置
  6. 保圧(2次圧)
  7. 保圧時間
  8. ゲートシール時間
  9. 冷却時間
  10. 計量(スクリュー回転)
  11. 背圧
  12. サックバック

型締めユニットの成形条件

型締めユニットの成形条件は、金型の開け閉め、EJの前後進する設定です。

  1. 型締力
  2. 低圧金型保護
  3. 型開閉
  4. エジェクター(エアーエジェクター)
  5. スライドコア
  6. ねじ抜き装置

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プラ太郎

「射出成形業界を繋ぐ」プラファン運営者|特級技能士|若手に向けて射出成形スキルを熱血発信|俺たちの仕事 射出成形は超カッコいい|射出成形機をモチーフにしたプラモデルPLAIVE|

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