射出成形工場の業務は多岐にわたります。
- 原料発注
- 機械 メンテナンス
- 金型 開発
- 製造
- 不良削減
- 2次加工
- 選別
- 再納品
本当に何から何までとにかくたくさんありますね。
広く浅く知識として持っていて損しないものです。
本日は、電気のお勉強です。
射出成形工場に勤めていると電気の知識はあるに越したことないです。
初心者向けに簡単なシーケンス回路の解説をしていきます。
記事を読み終わった後は、シーケンス回路、リレーの役割を理解できるようになっていると思います。
難しく考えず気楽に学んでいきましょう。
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1.シーケンス回路とは?
(ⅰ)シーケンス回路とは?
シーケンス回路とは、あらかじめ決めた順番通りに色々な器具を作動させる回路のことです。
【決めた通り】【順番に】がポイントです。
この順番に色々な器具を作動させるには、
- リレー
- タイマー など
が必要になります。
今回はリレーだけの解説をしていきましょう。
(ⅱ)リレーとは?
リレーは、電磁リレーと言い、電気信号を伝える役目をします。
射出成形機のカバーを外すと、色々電気部品あり、リレーもついていますよね。
参考画像 オムロン MY2
リレーの働きを簡単に説明すると
リレーに電源が入ると、他の器具の電源を切ったり入れたりします。
リレーはスイッチに似た役割をします。
配線を書き込むとわかりやすくなります。
豆電球と粉砕機はそれぞれ別のコンセントにつながっています。
その途中にスイッチがくっついていて、そのスイッチをリレーが動作させる仕組みです。
- 豆電球はスイッチを入れる
- 粉砕機はスイッチを切る
このように、リレーは2つ動作をすることができます。
これは単純で、つなぎ方で選べます。
スイッチONのつなぎ方を、【a接点】につなぐ。
スイッチOFFのつなぎ方を、【b接点】につなぐ。と呼びます。
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シーケンス回路内で、リレーに電源が入ると、連動して豆電球は点灯し、粉砕機はストップする。
このスイッチの役割をリレーが担当しています。
2.実例紹介
このシーケンス回路とリレーの仕組みを理解できると、色々と連動させ、便利に改造できるようになります。
射出成形工場での実例紹介
(ⅰ)毎ショット徐電機ON
原料によっては静電気の発生が強いものがあります。
2次加工で塗装をする場合や、組み立て工程がある製品は静電気の影響を少なくしてあげたいものです。
「毎ショット徐電機のイオンを吹きかけたい。」
信号の取り方は色々ありますが、
成形機からの型開限信号をリレーの電源にいれ、徐電機をリレーのa接点につなぐことで、型開限中に徐電機のイオンを吹きかけるシーケンス回路になります。
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(ⅱ)原料切れをなくしたい
原料補給は、製造業では欠かせません。
- トラブル発生
- 業務のラッシュ
- 引継ぎ不足 など
イレギュラーが重なると、問題が起こるものです。
そんな原料切れを防ぐには、仕組みを作ってしまいましょう。
下図は、原料タンクが空になった様子です。
この問題を対策するには、原料タンクの内側下部分にリミットスイッチを取り付けて、原料が減ったことをお知らせさせれば済みます。
通常時は、
リミットスイッチ上に原料がありますので問題ありません。
このリミットスイッチを下まわった時にブザーと連動させます。
リミットスイッチの信号をリレーの電源に入れ、ブザーをリレーのa接点につなぎます。
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3.まとめ
本日は、シーケンス回路とリレーの解説をしてきました。
リレーの役割は、連動させるスイッチです。
入れたり(a接点)、切ったり(b接点)、さまざまな機器と連動させることで、大きなメリットが生まれます。
なんとなく苦手意識が強い電気の分野ですが、しっかりと理解すれば頼もしい知識になります。
電気回路の基礎を学ぶことで、さらに射出成形への理解も深まります。
自社で、何か改善したいトラブルがある際に、シーケンス回路が解決の糸口となってくれることを願っています。
これからもどんどん知識、技術を付けていきましょう。
全力で応援しています。