プラスチック成形 射出成形では、
射出成形機と金型を使用してプラスチック製品を加工します。
射出成形機で溶融した樹脂を金型に充填します。
【溶融樹脂の金型内の流れ】
- スプール
- ランナー
- ゲート
- 製品部 と樹脂は流れて充填されます。
下図の緑色が、スプールランナーゲート部です。(一般的にはまとめてランナーと呼びます。)
この部分は製品を成形するのに必要な道です。
必要な部分ですが、商品にはなりません。
ランナーは
- 廃棄する
- 再利用する ことになります。
製品によって、再利用材料を使用できるか決まっています。
プラスチックは、再利用すると物質的能力が下がります。
意味合い的には、製品の機能、寸法、勘合などに影響を許容できれば再利用が可能です。
再利用するには、このランナーを細かく砕きペレット大にする必要があります。
その作業を、【粉砕】と呼びます。
粉砕するには、【粉砕機】を使用します。
[ad]
本日は初心者向けに、粉砕機の解説をしていきます。
1.粉砕機とは?
2.粉砕機の種類と特徴
3.粉砕機紹介
1.粉砕機とは
射出成形のプラスチック加工では、金型内に充填された樹脂のうち製品部とランナー部に分かれます。
そのランナー部を、再利用できるように細かく粉砕する機械を粉砕機といいます。
一般的に、
電動モーターに付いた回転刃
粉砕機ボディに固定された固定刃
を使いプラスチックを粉砕します。
[ad]
2.粉砕機の種類と特徴
プラスチック用粉砕機は、用途によってさまざまな粉砕機があります。
その中で、一般的な粉砕機2種類の特徴を紹介します。
(ⅰ)高速粉砕機
電動モーターの回転速度が速い粉砕機。
- 高速で回転する回転刃
- ボディに取り付けられた固定
- 細かな穴がたくさん開いたスクリーン を使用し粉砕します。
回転刃と固定刃で細かく砕かれたランナーは、スクリーンの穴を通る大きさになったものから下に落ちていきます。
【メリット】
- 高速で回転することで、短い時間で多くの量を粉砕できる。
【デメリット】
- 騒音が大きい。
- スクリーンの構造上穴を通るサイズが落下するので、細長いものが通過してしまう。(ミスカット)このミスカット粉砕片は、再利用時に射出成形機ホッパー口でブリッジしてしまう。
粉砕室のような区切られた場所に設置し、各成形機から出てきたランナーを一遍に粉砕する環境で活躍します。
(ⅱ)低速粉砕機
電動モーターの回転速度が遅い粉砕機。
- 電動モーターに取り付けれた回転刃
- ボディに取り付けられた固定刃 にて粉砕します。
低速粉砕機の回転刃の特徴は、大きな刃と細かい刃がついていることです。
大きな刃で荒く粉砕し、細かい刃でペレット大にまで粉砕します。
高速粉砕機のようなスクリーンはありません。
下図参考画像 カワタ 低速粉砕機から
【メリット】
- 静か
- 粉砕片の飛散が少ない。
【デメリット】
- 低速度回転のため、時間当たりの粉砕量が少ない。
静かで粉砕片の飛散が少ないので、成形機横に設置し、取出し機で取り出したランナーそのまま粉砕するような環境で活躍します。
3.粉砕機の紹介
森田精機
高速粉砕機のスタンダード
シンプルな構造でプラスチック成形業界では、一般的はタイプです。
カワタ
低速粉砕機
松井製作所
低速粉砕機
ホロン精工
低速粉砕機
大きな刃と細かい刃が2軸構造になっていることで、トルクが強く、粉砕処理能力も高い。
4.まとめ
粉砕機は用途によって使い分けます。
高速粉砕機は、騒音が大きく、処理能力が高い。
低速粉砕機は、静かで、処理能力が低い。
昨今では、工場環境も厳しくなってきました。
「どんな環境でしようするか?」で使い分けましょう。