本「プラスチック・ファン」サイトにおこしの方の90%以上が、技能検定 射出成形作業の合格を目指している方です。
射出成形技能士として工場勤務になると、勤務シフトは2種類になると思います。
- 日勤固定(土日休みや、隔週土曜休み+日曜休み)
- 交代勤務(12時間勤務、8時間勤務、シフト休日)
それぞれのメリット・デメリットを比較します。
今後の進みたい道を照らせる事と思います。
目次
1.射出成形技能士の仕事
まず、今回比較する上で、射出成形技能士の仕事は、下記の通り範囲にしました。
【技能士の業務】
射出成形の製造工場では、一般的に射出成形のノウハウをもった人(技能士)が、金型交換や立ち上げ、条件調整を行います。
生産した製品の検査梱包などの業務を兼務する会社もありますが、成形機に付いて加工検査梱包作業は、専属のラインスタッフがいるものとします。
- 24時間稼働の射出成形工場
- 金型交換、周辺機器の段取り替え
- 立ち上げ、条件調整
- 機械の保全
- ライン作業の休憩交代
一般的な技能士のモデルは、
段取り→立ち上げ→調整→休憩工程→保全→停止です。
この他に、会議、改善、対策書、選別などが入ってきます。
2.射出成形工場 日勤者 交代勤務者 特徴
(ⅰ)日勤者の特徴
一般的には、日勤の技能士は、月ー金の、8:30~17:00が定時です。
夜勤帯に、技能士がいないことが多いので、生産にかかわるメインの段取りは日勤か、残業で進めていきます。
①日勤者のメリット
- 夜に寝れるので、身体の負担が少ない
- 土日・隔週休み等、家族、友達と休みが合わせやすい
- 日中のトラブルは、みんなの協力、助言を得られる
- 別部署と連携した業務に当たれる
- 是正処置、対策書、家内の連絡所など書類作成業務を習得できる(苦手な人にはデメリット)
②日勤者のデメリット
- 会議が多い
- トラブルがあれば、夜間でも呼び出される
- 長時間労働になりがち
- 通勤が混む
- 技能士の業務以外に駆り出される(納品、組み立てなど)
(ⅱ)交代勤務者の特徴
24時間稼働する射出成形工場では、昼夜の区別なく生産していくことで稼働率を高めることができます。
工場の稼働、歩留まりを考えると大きなメリットがあります。
近年は、人材不足が激しく、特に夜勤をしてくれる人はほとんど集まりません。
①交代勤務者のメリット
- 給与が割高(夜間手当・割増給与、基本給によるが中堅で10万前後/月の差)
- 平日昼間に自由に動ける
- 残業は少なめ(自分の代わりがいるから)
- 時間外は基本的に呼び出しはない
- 夜間は、比較的お気楽(上司がいない)
②交代勤務者のデメリット
- 身体がきつい(生活リズム調整)
- 2交代(12時間勤務)は長い、つらい
- 家族、友達と休みが合わない
- 引き継ぎミスが起こりやすい
- 「時間だけいればいいや」という同僚がいるとしわよせが大変
3.日勤・交代勤務 それぞれどんな人におすすめ
求める理想の働き方は、みんな違います。多様化するライフスタイルが大きな理由です。
また、その人の身体の負担や、好き嫌いにもよりますね。
夜勤でも身体がぜんぜん余裕な人もいれば、眠さ・だるさで活動できないって人もいます。
①日勤者におすすめな人
射出成形をはじめたばかりの人におすすめです。
日中は、上司、他部署のみんながいるので、ミスやトラブル時の対応がしやすいです。
また、中堅者で、技術力を向上したい人におすすめです。
日勤中に、メインの業務は多いためいろいろな経験を積むことができます。
- 試作や開発
- クレーム対応
- 会議
- 客先、関係各社への訪問
製造部以外にも、開発、金型、設備、品管と一緒におこなう仕事を通して、チームワークの進め方や、リーダーシップの習得になります。
拘束時間が長く、時間外の呼び出しが多いので、自由度は交代勤務者に劣ります。
②交代勤務におすすめな人
射出成形の初心者の方は、おすすめしません。
初心者は、日勤で知識・技術を磨いていろいろ経験を積んでから、交代勤務の技能士に移行するほうがよいでしょう。
夜勤とシフトの切り替えがうまくできる人は、おすすめです。
一番のポイントは、身体の負担と、シフトに対応できるかになります。
交代勤務は実際にやってみたことがありますが、慣れれば問題ありません。
ただし、人それぞれです。実際にやってみないと判断できません。
睡眠不足や体調不良で、業務に差し支えてしまうとミスや事故の原因になります。
割高の給与と、平日昼間に自由に動けることが交代勤務者の大きなメリットです。
勤務時間外に、自分の代わりの技能士がいるので呼び出しがないのも良い点です。
交代勤務は、ONOFFが比較的きっちり切り替えられます。