プラ太郎

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成形条件

射出成形の最小クッション値とは? 最小クッション値の意味と管理方法

プラ太郎
最小クッション値は、射出成形において重要な管理項目だよ

最小クッション値の意味と、管理の仕方を解説していくよ👍

本日は射出成形の基礎硬めをしていきましょう。

「最小クッション値」って聞いたことあるけど、どんな意味があるのでしょうか?

わかりそうでわかっていない人が多いと思います。

初心者、中級者向けに今さら聞けない「クッション値」を詳しく解説していきます。

1.最小クッション値とは

最小クッション値とは、充填した時スクリュー先端が一番前に来る位置です。

わかりやすく、図で見て行きましょう。

射出成形では、加熱筒にて樹脂を溶融させ、スクリューで計量します。

計量後、スクリューを前進し金型内に充填していきます。

充填した時スクリュー先端が最前進した位置が、最小クッション値です。

 

ところてんは、装填したところてんを最後まで突いてしまいますが、

射出成形では、一般的に計量した樹脂の全てを充填することはありません。

クッションとして数mm程度残します。

 

最小クッション値は、他にも呼び方があります。

成形機のメーカーによって異なります。

  • 最小クッション位置
  • 最少クッション値
  • 最前進位置   など

意味合い的には一緒です。

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2.最小クッション値の意味

基本的に射出成形では、充填時、0mmまで押し切りません。
最小クッション値が、3〜10mm程度残るように充填します。

なぜ射出成形では、クッションを残すのでしょうか?

結論から先に言います。

最小クッション値を残す意味

  1. 成形品を安定させるため
  2. 金型を保護するため

ⅰ.成形品を安定させるため

射出成形は毎ショットバラツキが発生します。

  • 計量した樹脂の量
  • 加熱筒の温度
  • 金型温度
  • 金型のガスベントの詰まり具合(ガス抜けの良し悪し)
  • 季節 工場気温、湿度(特に油圧機)   など

そのバラツキにより、最小クッション位置は、毎ショット若干異なります。

0mmまで押し切って充填していたとします。
この時、原料ロット変更などの要因により、計量した樹脂密度が少なくなったとすると、
製品はショートしてしまう可能性があります。

逆に、密度が増した時は、その全てを充填してしまいます。
するとオーバーパックしてしまいますね。

3〜10mmのクッション値を残すことで、
バラツキを許容する緩衝材の意味を持ちます

 

ⅱ.金型を保護するため

もう一つの、最小クッション値を残す意味は

金型を保護するためです。

例えば、最小クッション値が、30mmで成形しているとします。
この時、金型入れ子が破損しました。
全自動で成形しているので、そのまま充填をします。
すると、30mmで止まらず、0mmまで押し切ってしまいます。
金型の破損箇所からは、高圧の樹脂が漏れ出て行きます。

最小クッション値を、3〜10mm程度に設定しておくことで
トラブル時の金型オーバーパックを防止することができます

 

3.最小クッションによる不良監視

最小クッション値が、成形の生産管理に重要な項目なのは、

製品の品質管理に役立つからです。

最小クッション値を管理することで、不良を検出できます

 

成形スタートから10ショットもすればクッション位置は、おおよそ一定になっていきます。

このクッション位置を監視していく事で、不良を検出します。

 

成形品の大きさや形状にもよりますが、

簡単な例をあげて行きます。

 

 

最小クッションが、3mmで成形が安定している製品があります。

 

最小クッション値が、5mmだと、製品がショートしてしまいます。

 

逆に、1mmだとバリが強くなってしまいます。

 

こんな時に、最小クッション値を管理して製品の状態を監視をしていきます。

最小クッション値 品質 判定
5mm ショート
4mm 良品
3mm 良品
2mm 良品
1mm バリ

この製品を成形する時、最小クッションは、2〜4mmであれば良品です。

成形機の品質管理設定で、監視しましょう。

最小クッション値が、この監視幅を外れる時はアラームで知らせます。

 

4.注意すること

最小クッション値は、バラツキ管理の目安です。

目的は不良を検出することです。

定期的に最小クッション値は記録しておきます。

前項で解説した通り、様々な要因で最小クッション値は変化していきます。

  • 樹脂の原料ロット変更
  • スクリュー逆止リングの消耗
  • 加熱筒ヒーターの消耗具合
  • 金型温度
  • 金型の累積ショット数(ガス抜け具合)
  • 外気温 など。

その都度、製品を見て、最小クッション値の監視幅は設定していきましょう。

 

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