射出成形の仕事

現場の困ったを解決 射出成形【特化】「対策書」の書き方 射出成形 技能士

2018年11月18日

製造業に限っての話ではございませんが、お客様に迷惑をかけた時に書くのが「対策書」です。

射出成形工場では、主として「製品の品質不良クレーム」の対策書が多いのではないでしょうか。

  • なぜ不良が発生したのか?
  • なぜ流出したのか?
  • どうすれば再発防止できるか?
  • 効果の検証は?        を1枚のレポートにまとめます。

とはいうものの、、、

  • 何から書いたらいいのかわからない。
  • どうやってまとめたらいいの?

そんな困ったを解決致します。

射出成形に特化した「対策書」の書き方の説明と5つのポイントをご紹介いたします。

1.「対策書」とは

お客様方にて、「成形不良」や「不手際」が発見された時に、原因調査と再発防止対策をまとめたレポートのことです。

お客様に「トラブルを対処する能力」と「プレゼン能力」を同時に試される機会ですね。

書き方や、決まり事などはありませんが、対策する上で【必要な情報】は盛り込まないとまとめられません。

次にポイントを上げて説明していきます。

2.「対策書」の基本 3つの重要ポイント

(ⅰ)誰が読んでもわかる様に

まずは、シンプルで、道筋が通っていて、わかりやすい内容であること。

【よくありがちなミス】は下記の通りです。

  • 専門用語が多い
  • 無駄な情報がある
  • 文章が長い
  • ストーリーが見えない など。

書いている自分では理解できても、相手に伝えるのはすごく難しいことです。簡単な表現でポイントを押さえる様にします。

「嫁さんが読んでも理解できるレベル」のわかりやすさをイメージしましょう。

(ⅱ)徹底的に「現実」を調査する

「不良事象」に対して、考えうる全ての要因を洗い出して、調査します。

ポイントは、「○○だろう。○○かもしれない。」の様な【推測や理論】ではなく、「現場」に赴き、「現物」を見て触って聞いて「現実」を知ることが重要です。

この【現実】を並べて行くことで、自然と「真の要因」が明らかになっていきます。

絵空事の様な、適当な推測では、「真の要因」はわかりません。

しっかりと「現実」を調査することで、初めて対策が打てるのです。

3現主義の重要性はこちらの記事でまとめております。

仕事の基本 「3現主義」のすすめ 3つの活用ポイント 射出成形 技能士

(ⅲ)完結させる

対策書内で、「いかに相手がわかる様にまとめるか。」です。

  1. 事象の要因を調査
  2. 対策案を実施
  3. その検証結果を判定   です。

つまり、1枚の対策書で完結させなくてはいけません。

例外として、検証に時間がかかるものは、期日を決めて仮で完結させます。

3.射出成形【特化】「対策書」の書き方 5ステップ

「射出成形」で一番多く対策書を書くのは、「成形品の品質不良クレーム」に対してです。

  • 成形品の外観不良、変形など
  • 練り込み異物や、金属片の混入
  • 員数過多・不足       などです。

ここからいよいよ本題です。

5つの項目に分けて書いていきます。

  1. 事象品の確認
  2. 工程確認結果
  3. 発生原因・流出原因
  4. 発生対策・流出対策
  5. 検証結果

1つづつ解説していきます。

(ⅰ)事象品の確認

客先で発見された【事象】確認をする。

事象品からわかる情報(事実)を全て上げること。成形品の品質不良は、現物確認が基本です。

・基本情報の確認(製品名、型番、色調、サイズ、製造Lotなど)

・不良事象の詳細確認。(確認方法:目視、マイクロスコープなど)

この事象品の確認が最重要です。しっかりと調査をしましょう。

例)

事象品を確認致しました。基本情報は下記の通りです。

製品名 計量カップ本体
型番
色調 NC
サイズ
製造Lot 181110-箱No.10

不良事象をマイクロスコープで確認したところ、製品中央部に、角のとがった黒色の練り込み異物(0.3㎟が3点)がありました。

返品されました当該Lot中の事象は、2個/1,000個でした。

(ⅱ)工程確認結果

事象品の製造に携わった全ての工程の確認結果を調べます。

  • 事象品の製造記録、製造した設備の点検記録など帳票類を確認。
  • 4M「人」「機械」「原料」「方法」の確認。
  • システム内のトラブルや、条件の変更点があったかどうかを確認。
  • それぞれに調査した工程確認結果が、事象に起因するか【判定】する。

この段階で、きっちり調査をしていくことで、【原因】を探っていきます。

 

例)

確認項目 確認結果 判定
生産日報 事象に起因する問題はございません。
成形機 事象に起因する問題はございません。
金型 金型を分解確認したところ、ホットランナー内(バルブ周辺)に樹脂の焼け有り。

(前回の分解清掃から実働180日間)

×
工程検査 定時のショットサンプル検査では問題ありませんでした。

(ⅲ)原因

(ⅱ)工程確認結果を受けて、発生原因と流出原因をまとめます。

・「発生原因」と「流出原因」にわけて、考えます。

  • 「発生原因」とは、「事象」が起こった原因
  • 「流出原因」とは、「事象」がお客様方に流出した原因。

例)

発生原因:金型ホットランナー部で炭化した樹脂が、剥がれ落ち製品に練り込まれたことが原因です。分解清掃期間の定めもありませんでした。

流出原因:発生頻度が低く、工程検査(定時ショットサンプルの検査)では検出できませんでした。

(ⅳ)対策

(ⅲ)原因を受けて、対策案と実施事項をまとめます。

「発生対策」と「流出対策」に分けて対策します。

  • 「原因」に対しての処置
  • 手順や工程の変更
  • 教育訓練の実施
  • 帳票類の改定  などが対策内容になります。またその記録を添付します。

例)

発生対策:

  • 金型ホットランナー内バルブ部を分解清掃しました。'18.11.18実施済み。
  • 金型清掃手順を改定(分解清掃期間150日間、「金型メンテナンス書」に記録することを追記)しました。'18.11.18実施済み。「資料1:金型清掃手順書参照」
  • 作業担当者へ教育訓練実施済み。'18.11.18済み。「資料2:教育訓練(金型清掃手順書改定教育)参照」

流出対策:

工程内検査(抜き取り検査)で検出は難しいため、発生対策を確実に遂行致します。

(ⅴ)検証

(ⅳ)で行った対策の効果を検証をします。

「不良事象」が対策をした結果、再発防止できました。を検証します。

(例)

金型分解清掃後の成形品を全数検査し、事象不良は発生しませんでした。

成形ロット 検査数(個) 不良数(個) 不良率(%) 判定
181118 1,000
181119 1,000
181120 1,000

4.まとめ

射出成形【特化】「対策書」の書き方

3つの重要ポイント

  1. シンプルにわかりやすく
  2. 徹底的に「現実」調査をする
  3. 完結させる

対策書の書き方 5ステップ

  1. 事象の確認
  2. 工程確認
  3. 原因
  4. 対策
  5. 検証

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