新人わかば君は、普通科高校卒業の新卒社会人。工具の名前や使い方、射出成形のノウハウや工学全般が初心者です。
そんなわかば君の教育を通して、【なぜ?】を一緒に学んでいきましょう。
射出成形工場にまつわる【なぜ?】を、やさしく解説していきます。
わかば君「なんで真鍮棒を使うんですか?」
パージ玉の処理や、スプルーが詰まった時、金型内に製品が残ってしまった時に使用する真鍮棒。
この真鍮棒はなぜ鉄やステンレスではないのか?
プラ太郎「真鍮は柔らかいので、金型や相手を傷つけにくいためだよ。」
真鍮は、鉄やステンレスに比べて柔らかい金属です。
スプルーの詰まりを打ったり、金型内に残った製品を取り除くのに、最適ですね。
ちなみに金属の固さは硬度で表されます。ざっくりと硬度は下記の通り。
・ステンレス 170~210HB
・鉄 200HB
・銅 110HB
・真鍮 45~75HB
・アルミ 20HB
銅と真鍮の価格を比較すると、ざっくりで銅が1,200円/kgに対して真鍮は800円/kgくらいです。(相場で変わります。)
雑学として、アルミに銅マグネシウム亜鉛を加えた合金の超々ジュラルミンは、160HBとなり高硬度の金属で飛行機の部品に使用されていることが有名ですね。