なんでこんなに忙しいのに、給料上がらないんだろ?
一度は誰しも思ったことがあるんではないでしょうか。
- 「不安」コロナ禍でこの先受注がどうなるかわからない
- 「不平」一族経営で、一般社員に還元されない
- 「不満」十分に利益が上がっていない
いろいろな要因によって、給与や待遇は改善されません。
上記の「不」の中で、一般社員が変えられることってなんだろう?
客先の注文や、一族経営の不遇は、なかなか変えることはできません。
「不満」十分に利益が上がってないことは、一般社員にも責任がありますね。
本日のテーマは、原価管理を学んで行きましょう。
製造現場にいると、商品の全容は見えてきません。
1つの商品を加工するのに、人や設備がかかります。
細かく分けてフワッと優しく解説していきましょう。
目次
1.原価管理とは
近年、材料費や人件費はどんどん上がってきています。
1つ100円で売れる商品を、今までは90円で作っていました。
今年から、1つ作るのに100円かかります。
利益は10円→0円です。
売上は変わりませんが、儲けがなくなってしまいました。
???これでいいの???
100円で売れる商品を100円かけて作っていては、何やってんの?ってなりますよね。
原価管理の重要性はますます高まっています。
【管理=把握しておくこと】です。
製造する上でいくらかかって、いくら儲けが残るのかしっかり掴んでおきましょう。
2.原価の内訳
販売価格に対して、何にいくらかかったか?
を分類分けして見ていきましょう。
商品の内訳を表にすると下記の通りです。
①販売価格 | ②総原価 | ③製造原価 | ④材料費 |
⑤労務費 | |||
⑥経費 | |||
⑦販売費 ⑧一般管理費 | |||
⑨利益 |
なかなか分かりづらい表現もありますね。
1つづつ解説していきましょう。
①販売価格②総原価⑨利益
この3つは、直感的にわかりやすいのでまとめて解説します。
①販売価格は、売値です。
店頭やお客様に買っていただく価格が「販売価格」です。
販売価格は、②総原価と⑨利益に分けられます。
②総原価は、商品を作るのにかかった費用です。
⑨利益は、儲け分ですね。
①販売価格=②総原価+⑨利益です。
③製造原価
②総原価の内、③製造原価をみていきます。
③製造原価は、【作るのにいくらかかったか】です。
製造工程は複雑です。
材料を仕入れて、機械や人の手によって加工され、入庫して出荷を待ちますね。
細かく分けていくと3種類に分けられます。
④原料費⑤労務費⑥経費
④原料費は、製造に使う【材料関係】です。
- 材料となる樹脂ペレット
- 部品となる鋼材
- 梱包に使用するダンボールやビニル袋
- 燃料
- 消耗品 など
⑤労務費は、簡単に言えば人件費です。
- 製造に携わる人の賃金(給与、賞与)
- 退職金 など
⑥経費は、簡単に言えば、設備関係の費用や光熱費などです。
- 機械の減価償却費
- 電気ガス水道
- 通信費(電話、インターネット)
- 外注加工費も経費に含まれます
⑦販売費⑧一般管理費
ただ商品を作っても、売れませんね。
⑦販売費は、販売を促進するための活動の費用です。
- 広告宣伝費
- 代理店への販売手数料 など
⑧一般管理費は、会社全体に関する管理費用です。
製造業では、製造に関わる人件費を製造原価の労務費に含みます。
製造に関わらない事務員さんの給与は一般管理費に分けられます。
- 製造に携わらない事務方の給与
- 事務所の賃料、製造外の光熱費など
3.現場で意識したい製造原価
会社の目的は、利益を出すことです。
利益確保するためには、【製造原価】をいかに抑えるかがポイントになります。
意識的に【製造原価】を管理していきましょう。
特に気にかけてもらいたいポイントを下記にまとめました。
(ⅰ)原料ペレットはお金
今まで解説してきて理解いただけたと思います。
原料費を抑えることで、利益は増えます。
つまり、原料ペレットはお金です。
原料ペレット工場の床に撒き散らしてありませんか?
【実にもったいない】
仕入れた原料は1粒残さず商品にしましょう!
(ⅱ)無駄な残業
残業時間も無駄です。
通常の勤務内で製造が完結して労務費の予算内です。
残業してしまうと、人件費は1.25倍です。深夜では1.35倍になります。
残業してまでやるべき仕事なのかをよく考えてみましょう。
次の班にうまく引き継ぐ、次の日に回すなど工夫が必要です。
また、そもそもの製造予定に無理があることも。
【段取り9割】という格言がある通り、計画段階で入念に策を練っておきましょう。
(ⅲ)機械の稼働率は大事
予定時間内に必要数量生産するためには、日頃のメンテナンスが重要です。
予定道り稼働して当たり前です。
機械が壊れてしまったら、
- 生産はできなくなる
- 検査員、ラインスタッフの人件費はかかる
- 前品がOK品かの確認をしなくてはいけない
良いことなしです。途端に利益は食われていきます。
成形機アラームは、全速最短で駆けつけて、状況判断 → 対処 → 即リスタートが基本です。
機械の稼働率は、日頃のメンテナンス、アラーム対応緑茶など、細かな積み重ねでアップしていきます!
4.まとめ
本日は、優しく【原価管理】を勉強してきました。
商品1つ1つそれぞれに、原料は基より、人件費、機械の消耗費、光熱費などかかっていることを再認識しましょう。
細かく分けることで、気をつけるポイントが見えてきたんではないでしょうか。
1つ1つ改善していくことで、確実に利益は増えていきます。
逆にいえば、原価管理の内訳を意識していないと、製造価格はどんどん増えてしまいます。
結果としてしっかり利益を確保することで、昇給にも繋がります。