製造業において、いかに安くプラスチック製品を加工するか?
がポイントです。
原料→加工→出荷
加工するには、いくつもの工程があります。
- 原料準備
- 金型準備
- 段取り換え(成形機、取出機、温調機など)
- 梱包
- 倉庫入庫
これらの工程の中で、安く加工するにはどうすればよいでしょうか?
本日は、【新人、若手向け】に
射出成形現場 改善の基本を解説していきます。
1.改善の基本
まずどんな改善にも共通する改善の基本を紹介します。
改善するには、下記の様に考えます。
- 目的をしっかり決める(ゴール設定)
- 工程を全て書き出す
- 現状を調べる
- ECRS(排除、結合、交換、単純化)
- 優先順位を決める
- 改善策の実施
- 効果の確認
- 改善を継続する
ひとつづつ解説していきましょう。
(ⅰ)目的をしっかり決める(ゴール設定)
まず、改善の目的をしっかり決めましょう。
ゴールを決めなければ、いくらシュートしても的外れですよね。
- 稼働率をあげる
- 付加価値(利益)をあげる
- 安全な環境をつくる
- 従業員の休みを増やす
- 機械の故障を減らす など
目的を決めておかないと、あれもこれも改善したいと、広がりすぎて結局、クローズできなくなってしまいます。
改善活動を進めていく中でいろいろなトラブルや課題が、複合的に絡んでいってしまうものです。
初人・若手の皆さんは、【1つの課題を改善しきる。】ことを意識しましょう。
(ⅱ)工程を全て書き出す
目標が決まったからと言って、闇雲に取り掛かってはいけません。
改善したい目標が考えられたら、その工程に関連する工程を全て紙に書き出してみましょう。
- どんな工程があるか
- 何人の人が関わっているか
- どんな機械、検査治具を使用しているか など
ポイントは、思いついたままに全てを書き出してみることです。
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(ⅲ)現状を調べる
工程を全て書き出したら、次は各工程を調べます。
調査するポイントは、
- どのくらいの時間がかかっているか
- 何人の人出がかかっているか
- 不便なことはないか
- 危険なことはないか など
効率、金額、安全を、ポイントで見ていくと現状が調べられます。
(ⅳ)ECRS
改善の考え方の基本
- E(排除)
- C(結合)
- R(交換)
- S(単純化)
上記のECRSの順番で改善策をやっていくことが重要です。
改善の効果が大きいのもこの順番になります。
まずは各項目の解説からです。
1.E(排除)
まずは、書き出した工程のうち、やらなくてよいもの。不要なものを排除してしまいます。
「今までこうやってきたから」といった根拠のない工程はいっそのこと排除してしまいましょう。
ISOの手順、QC工程表などに組み込まれている場合は、排除できないこと、または改訂が必要になります。注意してください。
2.C(結合)
続いては、結合です。工程で重複しているものはないか確認します。
各勤務帯で、同じことをやっていたり、
製造、品管など部署を超えて同じ工程をやっていることは多くあります。
現場と生産管理も同様ですね。
一部分で最善でも、全体でみるとそうでないことが多く存在します。
各部署との話し合いをして、結合できる工程は極力結合してしまいましょう。
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3.R(交換)
次は交換です。
工程の順番を変更することで、工程が改善することもあります。
「先にこっちを終わらせたほうが最終的に早い(安い、安全)よね。」
ってやつです。
工程が複雑に絡み合っている時は、特に効果的です。
また、作業者の得手不得手もあるので、作業者の交換、作業治具の交換など広い視野で工程を見直してみましょう。
4.S(単純化)
そして最後は単純化です。
各工程の作業をより単純に簡素にしていきます。
工程も複雑なものはミスにつながります。
いかに簡単に誰でもできるように組み立ててあげることが改善になります。
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(ⅴ)優先順位を決める
- 目標を決まり
- 工程を書き出し
- 現状を調査し
- ECRSで洗い出し
の後は、優先順位をきめましょう。
まだまだ改善の実施はこの後です。
段取りが重要です。
どこから改善策を実施していくかを順番を決めます。
限られた時間の中で進めていく改善活動ですので、闇雲にやっていては改悪活動になってしまいます。
大きい効果が期待できそうな改善案から優先順をきめましょう。
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(ⅵ)改善策の実施
やっと改善策の実施です。
優先順位の一番高いものから実施していきましょう。
この時に重要なことは、1つ。
【いつまでにやるかを決めておくこと】です。
あくまで予定ではありますが、日常業務外の作業になるので、先延ばしにしてしまう傾向があります。
期間を決めておくことで強制的に追い込むことになります。
そうでもしないとなかなか改善は進みません。
色々と改善策を同時進行することなく優先度の高いものから1つづつ期間を決めて実施することがポイントです。
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(ⅶ)効果の確認
改善策実施したら効果の確認です。
改善活動をして
実際どんな効果があったか、【答え合わせ】をします。
改善前と改善後にどのくらいの改善効果があったのかは、
- 削減されて時間
- 削減された人件費
- 稼働時間UP
- 安全度UP など
数字で表せるものが良いです。
また、逆に、改善後に効率が悪くなってしまうこともあります。
しっかりと効果確認をしましょう。
(ⅷ)継続する
効果確認を経て、次の一手は継続することです。
良いも悪いも効果の出た改善策に対してさらに改善をしていきます。
良い効果が出たものは、次の改善策を実施していきます。
悪い効果が出たものは、現状調査に立ち返り、違ったアプローチで改善策を実施してみましょう。
ポイントは、改善活動を継続していくことです。
改善活動を継続していくことで、どんどん工程はスリムになり効率が上がっていきます。
改善が改善を生み相乗効果でグングンより良く加速していきます。
積極的に改善活動を進めていきましょう。