どの会社や部署でも、「改善」が求められています。
- お客さまからの製品単価の値下げ要求
- 原料費・人件費の高騰
- 働き方改革による拘束時間の削減 など
さまざまな要因はありますが、改善活動を通して企業の利益を最大化していかなければ、同業他社に負けてしまいます。
「品質」「コスト」「納期」の制約はありますが、より良くしていかなくてはいけません。
そんな「改善活動」のお話です。シリーズでお送りします。
第一回は「改善点の見つけ方」5つの重要ポイントです。
目次
1.「改善活動」の基本
(ⅰ)改善活動とは
簡単に言うと【現状】を「より良くすること」です。
・仕事のやり方
・工具や機械のレイアウト
・職場の環境 など仕事に関わること全てに当てはまります。
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(ⅱ)改善活動の順序
改善活動を推進していく上で、第一に、どう進めていくか?
基本的な「順序」は下記の通りです。
「改善活動の順序」
- 改善点を見つける←本日のテーマはここ
- 現実を知る
- 改善案を作成
- 改善案の実施
- 効果の確認(フォローアップ)
- 1~6を繰り返す。
大なり小なり「改善点」はたくさんあると思います。焦らずに1つ1つ「改善点」ごとに「改善活動の順序」を意識して推進していきます。
2.「改善点」の見つけ方 5つの重要ポイント
(ⅰ)【目標】と【現実】の「差」を探す
製造工程を例にすると、工程ごとの「手順」は決まっている事でしょう。ただしその作業方法がベストとは限りません。
・やりにくい
・時間がかかる
・場所を取り過ぎる など
実際の業務を行っていくと、想定していた結果が得られなかったなんてことは良くあります。改善活動とは、この「差」を探し、少なくする活動とも言い換えられます。
【現実】を知り、「どうすればもっと良くなるだろう?」と考え、「よし!やってみよう。」と実践してみることが基本です。
いきなり【大きな目標】を目指すのではなく、「より良く」を意識して段階的に「改善活動」を推進していくことがポイントです。
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(ⅱ)「見えるものから」改善活動
「見えるものから」とは、改善できるものから実施して行こうということです。改善活動を推進していくと、必ず「見えない問題」にぶつかります。
逆説的になりますが、「見えるもの」が改善出来ていない状態では、「見えないもの」は改善出来ないということです。
「見えない問題」をあぶり出し改善していくには、まずは「見えるもの」から取りかかりましょう。
(ⅲ)「3ムの排除」を意識する。
「3ム」とは、
- 「ムリ」
- 「ムダ」
- 「ムラ」 の3つです。
○「ムリ」とは
目標達成が出来ない「納期」や「計画」、または事故や怪我の危険がある「手順」や「工程」のことです。能力以上のことやものの事です。
例)
- 重たい荷物の移動作業
- 加工納期が間に合わない様な生産計画 など
○「ムダ」とは
目標に対して、必要のないことやものです。
「トヨタ自動車の7つのムダ」が有名です。
・作りすぎのムダ
必要ないのに余分に作ること
・手待ちのムダ
作業の中で「待つ」動作のこと。仕事をしていない状態です。
・運搬のムダ
仮置き、入れ替え、積み替えなどです。
・加工そのもののムダ
目的の達成に本来は必要のない作業のことです。
・在庫のムダ
出荷前品、材料、資材などが多すぎることです。
・動作のムダ
目的達成以外の動作のことです。
・不良を作るムダ
不良の廃棄、または手直し・作り直しをすること。
○「ムラ」とは
「ムリ」と「ムダ」が混在している状態をいいます。
手待ち時間が出来てしまう一方で、ラッシュして能力以上の仕事量が発生してしまうことです。
何から「改善活動」を始めて行けばいいのだろう?と悩んだら、これらの「3ム」に焦点を当てることで、「改善点」が見えてきます。
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(ⅳ)「着眼点」(若者 バカ者 よそ者)を意識する
手順・工程、トラブルなど事象を、「どの様な視点で見るか」という、目の付けどころに関してこんなフレーズがあります。
「若者 バカ者 よそ者」
- 強力なエネルギーを持っている「若者」
- 今までの枠からはみ出した「バカ者」
- 組織の外側から否定的に見る「よそ者」
この「着眼点」を意識することで、改善点が見つかることもあります。
(Ⅴ)ECRSの原則
「ECRSの原則」とは、
E:Eliminate(排除)・・・無くせるか?
C:Combine(結合)・・・合わせられるか?
R:Rearrange(入れ替え / 代替え)・・・入れ替えられるか?
S:Simplify(簡素化)・・・簡単・単純にできるか?
の頭文字を取ったものです。
改善の順序と視点を示したものです。
E→C→R→Sの順が基本で、改善効果が高い順です。
「改善点」を見つけるうえで、ECRSの原則を意識してみましょう。
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3.まとめ
改善活動①「改善点」の見つけ方
(ⅰ)【目標】と【現実】の差を意識する
(ⅱ)「見えるもの」から改善活動
(ⅲ)「3ム」の排除
(ⅳ)「着眼点」(若者 バカ者 よそ者)を意識する
(Ⅴ)ECRSの原則
本日は、「改善点」の見つけ方についてお話しました。「改善活動」は日々の積み重ねです。今日より明日をより良くするために少しづつ進めましょう。