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【学科試験資料】1から解説「パスカルの原理」 工学の基本 技能検定 射出成形作業

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1.力と圧力の表し方

物質(水や油など)に力が加えられている時、その力を受けている面の単位面積あたりに加えられるちからの大きさを「圧力」とよびます。

例)断面積10㎠のシリンダーに水を入れ、ぴったりはまるふたをして、ふたの上に100kgのおもりを載せます。

シリンダー内の水にかかる圧力は、

圧力=おもりの重さ(kg)÷力を受けている断面積(㎠)

=100kg÷10㎠=10kg/㎠ となります。

※厳密に言えば、重さと重力の関係により工学的表記は、力「kgf」、圧力「kgf/㎠」で表します。ですが本記事内では、わかりやすく解説することを目的としますので、力「kg」、圧力「kg/㎠」で表記します。

また、近年、国際単位系(SI単位)が使用されてきています。こちらも本記事内では、慣れ親しんだkg表記での解説とさせていただきます。参考で換算表の紹介のみとします。

<参考>

力 1kgf=9.81N(ニュートン)

圧力 1kgf/㎠=9.8×10Pa

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2.パスカルの原理

力と圧力の関係をおさらいしましたが、この関係は射出成型機の油圧機構にも当てはまります。「射出力と射出圧力」「型締力」などです。

上の図では、ふたに対して10kg/cmの圧力がかかっていますが、実はこの時、容器の各部に一様に圧力がかかっています。

容器の形が変化しようとも、容器の各部に一様に圧力がかかります。

「パスカルの原理」は流体の圧力伝達の基本です。

水、油、空気、ガスなど広く適用されます。

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3.油圧てこ

「パスカルの原理」を応用してみましょう。

下の図のようにシリンダを細いパイプで連結し、油を満たしふたをします。

両方のシリンダに10kgのおもりを載せた時、つり合い静止します。

次に、二つのシリンダの断面積を変えてみましょう。

片側は1㎠、反対はあ10㎠とします。

パスカルの原理から「密閉されて物質にかかる圧力は一定です。」

断面積1㎠側に1kgのおもりを置いてみると、油にかかる圧力は1kg/㎠です。

圧力一定となりますので、つり合わせるには断面積10㎠に何kgのおもりを載せましょうか?

正解は、10kgです。

「左側」は、おもり1kg÷断面積1㎠=圧力1kg/㎠

「右側」は、おもり?kg÷断面積10㎠=圧力1kg/㎠

右側おもり=断面積10㎠×圧力1kg/㎠=10kgとなります。

 

この様に「ちから(おもり)」「断面積」「圧力」の関係を使うと、

1kgのおもりと10kgのおもりとがつり合うのです。

言い換えると、小さな「ちから」で大きな「ちから」を発生することができます。

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プラ太郎

プラ太郎

「射出成形業界を繋ぐ」プラファン運営者|特級技能士|若手に向けて射出成形スキルを熱血発信|俺たちの仕事 射出成形は超カッコいい|射出成形機をモチーフにしたプラモデルPLAIVE|

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