スポンサーリンク



成形不良まとめ① 技能検定 射出成形 実技試験

成形不良のまとめパート①です

各事象ごとに

  • 事象の確認
  • 成形機・成形条件による要因
  • 金型による要因
  • 原料による要因

をまとめました。1つづつ確認していきましょう。

1.ショートショット

溶融した樹脂が金型に完全に充填されないまま冷却固化してしまう事象。

製品の一部が欠けてしまっている不良です。

成形機・成形条件による要因

  1. 計量不足
  2. 射出圧力が低い
  3. 射出速度が遅い
  4. シリンダー温度が低い

<対策>

  1. 計量を増やす
  2. 射出圧力を高くする
  3. 射出速度を上げる
  4. シリンダー温度を上げる

金型による要因

  1. ガスベント不良、メンテナンス不良
  2. 金型温度が低い
  3. ゲートバランスが悪い(多数ゲートの金型)
  4. ゲート、ランナー、スプルの抵抗が大きい

<対策>

  1. ガスベントを強化、メンテナンスをする
  2. 金型温度を上げる
  3. ゲートバランスを再設計する
  4. ゲート、ランナー、スプルの抵抗を下げる

原料による要因

  1. 原料の流動性が悪い

<対策>

  1. 流動性の良い原料に変更する

2.バリ

金型のキャビコアの合わせ面(PL)、入子、エジェクターピン等の隙間に溶融樹脂が流れ込み、製品に余分なマクが張り出る事象。

成形機・成形条件による要因

  1. 計量が多い
  2. 射出圧力が高い
  3. 保圧が高い
  4. 保圧時間が長い
  5. VP切換え位置が遅い
  6. 樹脂温度が高い
  7. 型締力不足

<対策>

  1. 計量を少なくする
  2. 射出圧力を低くする
  3. 保圧を低くする
  4. 保圧時間を短くする
  5. VP切換え位置を早くする
  6. 樹脂温度を低くする
  7. 型締力を高める

金型による要因

  1. 金型の合わせが悪い
  2. 金型の合わせ面(PL)の当たりの不均一
  3. 摺動部を摩耗
  4. 入子の消耗
  5. 金型のメンテナンス不足

<対策>

  1. 金型の合わせ修正
  2. 金型の合わせ面(PL)の当たり修正
  3. 摺動部の調整
  4. 入れ子の修正
  5. 金型メンテナンス

原料による要因

  1. 原料の粘度が低すぎる

<対策>

  1. 適正な粘度の原料に変更する

3.ヒケ

ヒケは成形不良の中で最も多く発生し、解決するのはなかなか難しい。

原因は加熱冷却による体積の収縮です。

<ヒケのメカニズム>

  1. 融解された樹脂が、金型内に射出される。
  2. 高温の樹脂は、金型に接触した部分から冷え始める。
  3. 冷却固化する時、厚肉部の中心はまだ暖かく完全には冷えていないので、内側に収縮しながら固化します。
  4. すると厚肉部の体積は絶対量が不足し、表面が「ヒケ」となります。

成形機・成形条件による要因

  1. 射出圧力が低い
  2. 保圧が低い
  3. 保圧時間が短い
  4. VP切換え位置が早い
  5. 冷却時間が短い
  6. ノズル先端のつぶれ等による圧力損失

<対策>

  1. 射出圧力を高くする
  2. 保圧を高くする
  3. 保圧時間を長くする
  4. VP切換え位置を遅くする
  5. ノズル先端の修正

金型による要因

  1. 金型冷却不均一
  2. ゲート位置不適当
  3. ゲート径が小さい

<対策>

  1. 金型冷却回路を再設定
  2. ゲート位置を再設定
  3. ゲート径の適正化

原料による要因

  1. 結晶性樹脂・・・ヒケやすい

<対策>

  1. 原料変更

4.シルバーストリーク

製品の表面に樹脂原料の流れ方向にそって銀白色のすじが発生する事象。

成形機・成形条件による要因

  1. 可塑化不良(背圧が低い)
  2. 可塑化不良(スクリュウ回転が速すぎ)
  3. 可塑化不良(滞留時間が長い)
  4. スクリュウサックバックによるエアの巻き込み
  5. 射出速度が速い

<対策>

  1. 可塑化再設定(背圧を上げる)
  2. 可塑化再設定(スクリュウ回転の適正化)
  3. 可塑化再設定(成形機シリンダー径の再設定、成形機の再選定)
  4. スクリュウサックバック量を減らす
  5. 射出速度を下げる

金型による要因

  1. ゲート位置が不適切
  2. コールドスラグ溜まりが小さい
  3. ガスベント不良
  4. メンテナンス不良

<対策>

  1. ゲート位置を再設定
  2. コールドスラグ溜まりを再設計
  3. ガスベントの適正配置また再設定
  4. メンテナンスをする

原料による要因

  1. 原料の乾燥不足
  2. 原料の加熱分解
  3. 再生材使用過多

<対策>

  1. 原料の適正な予備乾燥
  2. 原料の滞留時間を加味した原料再設定
  3. 再生材使用の再設定

5.フローマーク

溶解樹脂が金型内を流れる時、流動性が悪く金型の表面に触れる所と触れない所ができると、

ゲート中心に円輪状の縞模様が発生する事象。

成形機・成形条件による要因

  1. 射出速度が遅い
  2. 射出圧力不足
  3. 保圧が低い
  4. シリンダー温度が低い
  5. クッション量が少ない

<対策>

  1. 射出速度を上げる
  2. 射出圧力を上げる
  3. 保圧を上げる
  4. シリンダー温度を再設定
  5. クッション量を再設定

金型による要因

  1. 金型の冷却が不適当
  2. コールドスラグ溜まりが少ない
  3. ゲート径が小さい

<対策>

  1. 金型の冷却回路を再設計
  2. コールドスラグ溜まりを再設定
  3. ゲート径を適正化

原料による要因

  1. 原料の特性

<対策>

  1. 流れの良い原料に変更
成形不良まとめ②はこちら↓
成形不良のまとめパート②です 各事象ごとに 事象の確認 成形機・成形条件による要因 金型による要因 ...
技能検定参考書のご紹介

技能検定 プラスチック成形 射出成形作業 参考書のご紹介はこちらから

【注意】技能検定過去問題集・解説書は、数年毎に改訂されます。本記事の執筆は平成31年3月現在の最新情報になります。ご注意ください。…

コメント

  1. あっちゃん より:

    初めまして。

    1級を2年連続で受験しましたが、不合格となってしまいました。

    PCポリカーボネートについて。
    短面にシルバーが多発してしまい、不合格となってしまいました。

    材料は乾燥済、サックバックは2以下、背圧は70、速度が速すぎるためシルバーになると思い、射出速度は80~88程度に抑えましたが、シルバーは解消せず、逆に遅すぎて長面にウエルド・フローが発生してしまいました。
    シルバーの解消方法としては、背圧を100以上に高くし、シリンダー設定温度を高くした方が良いのでしょうか。シリンダー温度は、300・310・300・290に設定しましたが、ノズル先端は金型に接触するため実温250℃くらいになってしまっていました。
    シルバーの解消方法について、参考になる御知識はありますでしょうか。
    来年(3度目)こそは、本当に合格したいです。

    補足
    PSからPCへの切替は1㎏パージしました。
    PCの材料は120℃で5時間以上乾燥させました。
    画像のシルバーは、同一箇所(片方の短面)だけに発生します。
    乾燥はさせましたが、乾燥機が良くなかったのか、PSの成形中に乾燥機外に出して準備しておいたのがよくなかったのか。
    シルバー解消方法を探るために条件を模索している内に材料切れとなってしまい、シルバーだらけの製品を40個提出することになってしまいました。

    • plataro より:

      ご質問あいがとうございます。
      事象そのものを見ていないので的確な判断はできませんが、1つずつ分析してみましょう。
      1.材料の乾燥不良でしたら、全体的に真っ白になってしまいます。2.サックバック、背圧は適正です。3.ノズル先端の温度が300℃に対して250℃は何か問題がありそうです。(通常は設定温度に制御できます。)4.PS→PCパージ量は適当です。5.射出速度に関係なく発生する。6.製品の短辺側に発生するというと、樹脂の流れとしては射出まもなくに発生している意味です。以上の要因から推測すると、ノズル先端の冷えた樹脂がシルバーの様に出てしまっていると考えます。コールドスラッグが原因と考えます。金型に温度を取られ、ノズル先端の温度が下がってしまうようなので、ノズルバック成形が効く可能性があります。
      1サイクルが伸びてしまいますが、ノズルバックする距離を成形機設定で変えられます。(栃木では変えられず、後退限まで毎ショット下がってしまい、大幅にサイクルがかかり大変な思い出がありますが、それでも打ち切り時間5分前に終わらせる事ができました。)
      予定した通りになかなかうまくいかないものですね。時間内には終了できた様ですので、時間配分のシュミレーションはOKですね。あとは細かな調整ですね。一緒にがんばりましょう。応援しております。