技能検定 プラスチック成形 射出成形
学科試験 試験科目の内「材料」の基礎知識を学んでいきましょう。
目次
1.プラスチック成形 射出成形作業 学科試験で問われる 材料の種類
技能検定 プラスチック成形 学科試験で問われる 材料の種類は
大きく2種類に分類されます。
(ⅰ)熱可塑性樹脂
(ⅱ)熱硬化性樹脂
その物性、特性は大きく異なります。
また、使用される加工方法も異なります。
(ⅰ)熱可塑性樹脂
樹脂を加熱することで、軟化溶融させて金型に圧入し冷却します。
再び加熱する事で軟化液状化します。
正確に言えば、再使用時の機能性などは低下します。
射出成形はほとんどがこの熱可塑性樹脂を使用した成形です。
いい例えが、チョコレートですね。
温めると溶けて、型に入れ、冷え固める。
射出成形で使用される樹脂は、この熱可塑性樹脂です。
[ad]
(ⅱ)熱硬化性樹脂
熱可塑性樹脂に比べて、熱硬化性樹脂は一度硬化したものは再び軟化液状に戻りません。
架橋反応と言われる分子結合は非常に強固です。
分子間の熱運動が制限されることで熱の影響を受けにくくなります。
硬化性樹脂は、機械的強度や耐熱性に優れます。
固い反面、耐衝撃性は劣ります。
一度固まると戻らないことから、クッキーに例えられます。
圧縮成形で使用されるのが、熱硬化性樹脂です。
プラスチック成形 射出成形作業 学科試験で問われる 原料 種類別 一覧表
熱可塑性樹脂の種類別一覧表
プラスチック成形 射出成形作業の学科試験で問われる熱可塑性材料を一覧にまとめました。
一般的な材料は下記の通りです。
更に、プラスチック樹脂は、多種多様です。
熱可塑性樹脂 | 結晶性樹脂 | PE:ポリエチレン |
PP:ポリプロピレン | ||
PA:ポリアミド(ナイロン) | ||
POM:ポリアセタール | ||
PBT:ポリブチレンテレフタレート | ||
PET:ポリエチレンテレフタレート | ||
非晶性樹脂 | PS:ポリスチレン | |
PC:ポリカーボネート | ||
PMMA樹脂:アクリル | ||
PVC:ポリ塩化ビニル | ||
PPE:ポリフェニレンエーテル | ||
ABS:アクリロニトリルーブタジエンースチレン |
□豆知識□
【汎用プラスチック】
全プラスチック材料の内、使用量が多い順に
PP、PET(LDPE、HDPE)、PVC、PSの5つを、5大汎用プラスチックと呼びます。
【エンジニアプラスチック(エンプラ)】
エンジニアプラスチックは、機械的性能、耐熱性、耐薬品性が強化されたプラスチックです。
PC、ABS、PA、POMなど。
従来は金属部品で作られていた部品を、プラスチックで代用することで
軽量化、材料費削減、高デザイン性を実現しました。
【スーパーエンジニアプラスチック(スーパーエンプラ)】
エンプラ以上に、機能に優れるプラスチックを、スーパーエンプラと呼びます。
PEEK、PSSなど。
機能が高い材料だけに、その材料単価は高額です。
耐熱性に優れるため、溶融温度が高い樹脂が多く、使用される金型の強度、精度も求められます。
熱硬化性樹脂の種類別一覧表
プラスチック成形 射出成形作業の学科試験で問われる熱硬化性樹脂の材料を一覧にまとめました。
熱硬化性樹脂 | PF:フェノール樹脂 |
UF:ユリア樹脂 | |
MF:メラミン樹脂 | |
EP:エポキシ樹脂 | |
PDAP:フタル酸ジアリル樹脂 |
2.結晶性樹脂と非晶性樹脂
熱可塑性樹脂の内
結晶性樹脂と非結晶性樹脂に分けられます。
違いは分子構造に結晶結合があるかないかです。
特徴を比較すると下表の通りです。
結晶性樹脂 | 非晶性樹脂 | |
1.色 | 不透明 | 透明 |
2.収縮率 | 大きい | 小さい |
3.溶剤接着 | 不適 | 適する |
4.耐油性 | 優れている | 劣る |
[ad]
3.プラスチック成形用語の解説
○異方性
一般的に、製品の強度は金型内に充填される方向に強く、垂直方向は弱くなります。