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射出成形 1級 学科試験 「金型」

1級 第4分類 「金型」試験科目及びその範囲の細目

3科目が対象となります。

  1. 射出成形用金型の種類、構造及び機能
  2. 成形用金型に関する日本工業規格
  3. 射出成形用金型の取り扱い及び保守管理

1科目ごとに<細目>、例題、解説してまいりましょう。

1.射出成形用金型の種類、構造及び機能

<細目>

1 射出成形用金型の種類及び構造について詳細な知識を有すること。

2 射出成形用金型の機能に関し、次に掲げる事項について詳細な知識を有すること。

(1) 温度調節系統

(2) 成形品の離型及びアンダカットの処理

(3) ランナー及びゲートの種類及び特徴

(4) エアベント

(5) ランナレス方式

(6) 取付け機構

(7) 突出し機構

3 射出成形用金型の設計に関し、次に掲げる事項について概略の知識を有すること。

(1) 製品設計

(2) 金型設計

(3) 金型の検査

(4) 試作成形

4 射出成形用金型の製作方法について概略の知識を有すること。

例1)プラスチック用金型のインターロックピンは、固定側型板と可動側型板の間の正確な位置決めをするために用いられる。

↑「正」

インターロックピンとは、テーパーロックとも呼ばれ、位置決めピンのことです。

例2)射出成形用金型のキャビティやコアに最も多く使用されている鋼材は、プリハードン鋼である。

↑「正」

例3)機能面からゲート形状を記述したものとして、誤っているものはどれか。

イ サイドゲートは、標準ゲートとも呼ばれ、一般的に、キャビティの端面に設けられる。

ロ ディスクゲートは、円形状又はパイプ成形用としてよく使用されるが、成形品の均一充填に適している。

ハ トンネルゲートは、サブマリンゲートとも呼ばれ、型開き時のゲート自動切断用として可動側にのみ使用できる。

ニ ダイレクトゲートは、非制限ゲートとも呼ばれ、一般に、ひけを嫌う底面積の大きな成形品に使用される。

↑「ハ」

型開き時のゲート切断には「固定側」が正解。可動側に使用する場合は、突き出し動作によってゲートが切断される。

例4)ホットランナー方式に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ コールドランナー方式より成形サイクルが短い。

ロ 色替えは、コールドランナー方式よりも容易である。

ハ 金型価格は、コールドランナー方式よりも高い。

ニ 材料の歩留り率は、コールドランナー方式よりもよい。

↑「ロ」

ホットランナー部は、バルブやマニホールドなど複雑な構造のため、色替えは難しい。材料の種類と色にもよるが、全ばらしで清掃が必要なこともある。

例5)金型の突出し装置に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ エジェクタスリーブは、細いエジェクタピンの曲がり防止に使用される。

ロ エジェクタピンの早戻し装置は、スライドコアとエジェクタピンの接触を防止する。

ハ 長いエジェクタピンの曲げ強さを大きくするには、段付き形状にするのがよい

ニ 成形品の突出しピン跡を残せない突出し装置には、ストリッパープレートを使用するのがよい。

↑「イ」

エジェクタスリーブはエジェクタピンの一種です。スリーブ突き出しとは、ボス形状などをリング状に突き出す方法です

例6)金型構造に関する記述として、正しいものはどれか。

イ 一般に、サブマリンゲート方式の金型は、3プレート構造である。

ロ ストリッパ突出し方式の金型では、サポートピラを用いる必要がない。

ハ ストリッパ突出し方式の金型では、スペーサーブロックのない形状もある

ニ ホットランナ方式の金型には、ランナストリッパが必要である。

↑「ハ」

サブマリンゲート方式の金型は、2プレート構造です。

サポートピラは、射出圧力による金型の歪曲を防ぐことが目的ですので、突き出し方式に関係ありません。

例7)プラスチック用金型の部品に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ テーパーロックは、2つの金型部品相互の位置を正しく決める部品である。

ロ サポートピラは、射出圧力によって、おも型が歪曲するのを防ぐ支柱である。

ハ スペーサーブロックは、スライドコアの後退を防ぐブロックである。

ニ ロッキングブロックは、金型内のスライドコアやピンなどを所定の位置に固定し、射出圧力に押されて移動しないように保持する役割を持つ。

↑「ハ」

可動側型板と可動側取付板の間に取付けられ、突出し作動をするための空間を保つための板のことです。

2.成形用金型に関する日本工業規格

<細目>

成形用金型に関する日本工業規格に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること。

(1) 金型の標準部品

(2) 金型の取付け寸法

(3) 金型の表面粗さ

例1)日本工業規格(JIS)におけるプラスチック射出成形機の金型関連寸法に特に規定がないものはどれか。

イ 押出しロッド穴の配置とその直径

ロ ロケートリング用穴の直径と深さ

ハ 金型取付穴の配置と取付ボルト

ニ 冷却水孔口径の形状及び寸法

↑「ニ」

例2)日本工業規格(JIS)の「プラスチック用金型のサポートピラ」に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ 直径の公差の幅は、全長の公差よりも狭い。

ロ サポートピラの表示は、規格名称、規格番号、種類又はその記号、外径及び長さを表示しなければならない。

ハ 形状は、A形及びB形の2種類がある。

ニ 外径寸法は、φ25~φ80までの6種類がある。

↑「イ」

サポートピラとは、射出圧力による金型の歪曲防止に用いる。イメージは「補助の柱」です。よって、直径は問題なく、全長が大事です。

サポートピラの役割がわかっていれば、想像できる問題です。

例3)日本工業規格(JIS)によると射出成形機に用いられる金型取付ボルトは、M12、M16、M20、M24とされ、それぞれ型締力の範囲が定められている。

↑「正」

下表の通り決まっています。

取付ボルト M12 M16 M20 M24
型締力(tf) ~30tf 30~300tf 300~600f 600tf~

3.射出成形用金型の取り扱い及び保守管理

<細目>

射出成形用金型の取扱い及び保守管理に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること。

(1) 金型の取付け及び取りはずし

(2) 金型の点検及び手入れ

(3) 金型の保管方法

例1)金型をクロムめっき処理することにより得られる利点として、適切でないものはどれか。

イ 金型の耐食性が向上する。

ロ 製品の外観がよくなり、美観が得られる。

ハ めっきにより金型寿命が延びる。

ニ 金型の寸法精度が一段と向上する。

↑「ニ」

めっき処理等のコーティングをかけることで、摺動部では摩擦抵抗が減少し寿命がのびます。製品面では、耐食性が向上し、外観もよくなります。ですが寸法精度は関係がありません。

例2)プラスチック用金型の取扱いと保管に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ 金型を長期間保管する場合、防錆剤として、グリースオイルは適さない。

ロ 長期間連続成形する場合でも、定期的な点検が必要である。

ハ 成形品のバリは次第に大きくなるので、できるだけ早く金型を修理しなければならない。

ニ ランナロックピンのアンダーカットが摩耗すると、ランナは取出しやすくなる。

↑「ニ」

ランナロックピンは、型開き完了時のランナー位置を定点化する役割があります。ですのでランナロックピンのアンダーカットが摩耗すると、ランナー位置が毎ショットずれてしまい、取出しにくくなります。

例3)金型の保守管理に関する記述として、正しいものはどれか。

イ 成形中のエジェクタピンには、十分に潤滑油を塗布する。

ロ ばりの出る金型を修理しないと、ばりは次第に大きくなる。

ハ 難燃性材料の成形後は、直ちにキャビティにグリスを十分に塗布する。

ニ しぼ面のさびは、サンドペーパーで除去する。

↑「ロ」

成形中のエジェクタピンへの潤滑油は、多すぎると製品に付着するので、適度とする。

キャビティにグリス塗布はしません。ガスデポジットを除去又は適当な処置をし防錆剤を塗布します。

しぼ面への処置に、サンドペーパーは不適です。しぼ加工を削ってしまうため。