こんな方におすすめ
- セルロースナノファイバーって何?
- セルロースナノファイバーのメリットデメリット
- セルロースナノファイバーを使用したサステナブルな活動
植物由来の樹脂セルロースナノファイバーって何だろう??
プラスチックは地球への環境負荷が高く、海洋汚染やマイクロプラスチックなど様々な問題の一因になっているといわれています。
そんな文脈から、石油由来のプラスチックに置き換わる樹脂が色々開発されています。
本日は、天然素材であるセルロースナノファイバーの複合樹脂の開発を通して、地球環境に貢献していらっしゃるエフピー化成工業株式会社さんにセルロースナノファイバー樹脂を活用した取り組みをお聞きしてきました。
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目次
セルロースナノファイバーとは
セルロースナノファイバー(Cellulose Nanofiber)は、セルロースと呼ばれる天然ポリマーから作られた極細の繊維です。セルロースは植物の細胞壁や木材などに広く存在する主要な生物由来ポリマーであり、非常に豊富なバイオマス資源です。
セルロースナノファイバーのメリットとデメリット
新素材として期待が高まるセルロースナノファイバーのメリットとデメリットを紹介していきます。
セルロースナノファイバーのメリット
- 強度と軽さを兼ね備えているため、製品の強度や耐久性を向上させることができる。
- 柔軟性と可塑性が高く、複雑な形状や曲面に適応しやすい。
- 高い比表面積を持ち、触媒や吸着材料として効率的に利用できる。
- 透明性が高く、透明な材料やフィルムの製造に適している。
- 環境に優しい材料として注目されている。
- 持続可能なバイオマス資源から製造され、環境への負荷を削減することができる。
セルロースナノファイバーのデメリット
- 製造コストが高く、コスト面での課題が存在する。
- 製品の均一性を確保することが難しく、品質の安定性に課題がある。
- 固さを強化すると、耐衝撃性に弱くなる。PPなどの複合することで改善する。
- 水に対する感受性が高く、湿度管理が重要である。
- 溶解性や加工性が制限され、加工が難しい場合がある。
これらのメリットとデメリットは、セルロースナノファイバーの利用可能性と課題を示しています。研究や技術の進歩により、デメリットを克服し、より広範な産業での利用が実現される可能性があります。
セルロースナノファイバーの可能性
次世代の素材セルロースナノファイバーに期待される活用事例を一部紹介します。
- 材料科学: セルロースナノファイバーは高強度と軽さを兼ね備えているため、複合材料の製造に利用されます。例えば、自動車部品や航空機の軽量化、建築材料の強化、スポーツ用具の性能向上などに応用されています。
- 医療材料: セルロースナノファイバーは生体適合性が高く、組織工学や医療材料としての利用が研究されています。例えば、人工血管、組織再生用のフィルムやスポンジ、ドラッグデリバリーシステムなどが開発されています。
- 食品包装: セルロースナノファイバーは食品包装材料の開発にも活用されています。高いバリア性能を持ち、酸素や水分の透過を抑制することができます。また、食品との相性も良く、食品の鮮度保持や品質の向上に貢献します。
- 電子機器: セルロースナノファイバーは透明性が高いため、ディスプレイや光学デバイスの素材として利用される可能性があります。また、フレキシブルな性質も持っているため、曲面デバイスや柔軟電子機器の製造にも応用されています。
- 環境関連: セルロースナノファイバーは再生可能なバイオマス資源から製造されるため、持続可能な材料として注目されています。廃棄物の処理や石油由来の材料の代替として、環境に優しい製品の開発に役立ちます。
セルロースナノファイバーの活用事例
マグカップ
アウトドショップSWENは、環境に配慮したオリジナルマグを製造しています。このマグは、静岡県富士市にあるエフピー化成工業株式会社が開発した「グリーンチップ®CMF®」という環境に優しい素材を使用しています。この素材は、木材パルプを細かくしたセルロースファイバーとプラスチックの一種であるPP樹脂を組み合わせ、セルロースファイバーを51%以上配合しています。
マグはスタッキングができる仕様や吊り下げ用のアウトドアコードも付いており、耐熱性もあります。カラーは4色、3デザインが用意されています。
また、マグのデザインは美光産業株式会社の協力のもと、自然な風合いを楽しむために着色せずに加工されています。
製品には51%以上のセルロースファイバーが含まれているため、表記上は「紙」として扱われます。これにより、プラスチックの代替品として、環境に配慮した食器として利用することができます。
プラモデル
株式会社エムアイモルデで提案されたセルロースナノファイバーを使用したプラモデル。同デザインは、大河原邦男氏による完全オリジナルロボット
iXine|イグザイン
大河原邦男氏が描き下ろしたオリジナルロボットであり、日本の製造業に携わる中小企業の活性化の為に提供された。
(M.I.MOLDE公式ウェブサイトから一部転記)
本日インタビューさせていただいた企業様
エフピー化成工業 赤澤 様
エフピー化成工業は、セルロースファイバーを配合した環境に配慮した複合樹脂「グリーンチップ®CMF®」を開発しています。この複合樹脂は従来品と比較して安価でありながら、セルロースファイバーの分散性や成形時の流動性など、優れた特性を持っています。CNFそのものは非常に安全です。
グリーンチップ®CMF®は石油由来樹脂の使用量を削減し、セルロースファイバーの高配合が可能です。
また、セルロースファイバー配合により寸法安定性や強度、耐熱性が向上し、成形品の軽量化も実現できます。
さらに、他の材料との相溶性も良く、食品容器などへの利用も可能です。エフピー化成工業はSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでおり、グリーンチップ®CMF®の開発はプラスチックごみの削減や持続可能な天然資源の利用などに貢献することを目指しています。
こんな商品を開発してみたい✨
当プラスチックファンを見て、【セルロースナノファイバーの複合樹脂を使ってみたい】と検討される皆様へ
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