工場が整理整頓されていると、ムダが削減され、より効率的でかつ安全に生産できます。
- 工具を探すムダ
- 山積みになった書類
- いつ使ったかわからない試作原料
- 通い箱
時間、スペース、人は有限です。
使ってないモノ、いらない作業、余計な仕事などがスッキリと片付くことで、生産性はグッと上がります。
本日は、射出成形工場に特化した断捨離のすすめを特集します。
こんな方におすすめ
- 工場がモノで溢れかえってる
- 金型があちこちに点在してる
- 前回生産した製品は、どこに保管したか○○さんに聞かないとわからない
1.全員で取り組む
射出成形工場では、様々な人が従事しています。
部署ごと、勤務ごと、班ごとに与えられた仕事がきまっています。
しかし、誰がするか決まっていない仕事も多く、そんな誰がするか決まっていない仕事が、蓄積していくと、工場がモノで溢れていきます。
【試作】
試作材の購入:購買
試作予定作成:生産管理
試作:開発
試作工程の後の量産:製造
試作品の検査:品質管理
試作品の出荷:出荷管理
試作材の保管:開発
試作工程を1つとっても、これだけ多くの人が関わっています。
工程の隙間に、誰がするか決まっていない仕事が含まれています。
綺麗に片付いている安全な職場は、工場に携わる全員で作り上げていくものです。
2.整理・整頓
整理整頓の意味を分かっていない人が、多いです。
整理:【いるもの】と【いらないもの】を分けて、いらないものを処分すること
整頓:いるものの置き場所を決めて、いつも使える状態に整える。
よくあるやっちゃいけないこと
棚や収納ケースを買ってくる
まずは不用品を処分するのが先です。しかし、みんな棚を買ってきてしまいます。
床に置いているものを棚にしまえるメリットはありますが、不用品をとっておいても使い道はありません。
いつか使う
いつか使うものとどこかにしまっておくと、いざ使う時には、どこにしまったか忘れてしまっています。
結局、探す人件費の方が高くつきます。
2023年東京都の最低賃金は、1,072円/時間です。
時間は、お金だという意識が重要です。
部分良し
部署、勤務、班など小単位で最適化を進めてしまうことで、全体としての作業性や効率が下がってしまうことがあります。
みんながやりやすいこと【全体良し】を考えてすすめましょう。
3.しつけ・監視
せっかく整った作業環境を維持するのが難しい。
人の入れ替えや、機械の更新など、日々工場の状況は変わります。
その都度、ルールを皆に周知徹底していきます。
継続のポイント
自分たちのやりやすいように進めていくと、部署間、勤務間、班間に必ずしわ寄せがやってきます。
安全衛生管理委員や、美化委員など当事者でない第三者の目を入れて、月1回の定期パトロールが効果的です。
4.ワンマン社長のトップダウン
経営トップが、断捨離のハードルということも多いです。
会社にあるものは、購入しているため、いつか先に使うからもったいないと残しがちです。
社長の肩の荷を減らしてあげる
社長の仕事は、会社の進むべき方向に旗を振ることです。
現場の備品の管理1つ1つまで指摘するのはもちろん大事ですが、実際に仕事をするのは現場の人たちです。
社長がうるさいからとか、社長が取っておけと言ったからではなく、現場が自発的に考え、ものをうまく使うルール・仕組みを作り、社長を説得してみましょう。
5.特定の人がルールを守れない
いつも汚すのは一部の人ではありませんか?
片付ける人は、いつも片付けています。
実際に工具を使うときに、ない。いつも片付けない人が作業した所にいくと放置されている。
片付けのできない人へは、都度フィードバック
片付けのできない人、毎回よごしたままの人には、その都度言いましょう。
同僚や先輩のは言いづらい時は、上司に伝えてもらいます。
足を踏んだ人は、踏まれている人の気持ちはわかりません。
故意にしているわけではなかったり、うっかり忘れてることもありますので、状況を判断してあまりに多い場合や、ひどい時は伝えましょう。
6.皆が守れる適度なルールは継続的に作る
射出成形工場の整理整頓は、日々状況が変わるので、【ルールの更新】が重要です。
一度ルールを作ったからOKではなく、やりづらかったり、きつ過ぎるルールは臨機応変に更新していきましょう。
絵にかいた餅という言葉の通り、計画と実践には大きな差が生まれるものです。
中長期で、環境を整えていきましょう。