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こんな方におすすめ
- シルバーや気泡が直らない
- 乾燥機の性能に違いがあるの?
- 樹脂によっておすすめの乾燥機があるの?
乾燥機は、材料乾燥機とも呼ばれ、名前の通り、プラスチックの材料(原料)を乾燥させる機械です。
原料となる樹脂ペレットは、同じものであっても保存状態によって含まれる水分量が異なります。樹脂ペレットをそのまま射出成形機に投入してしまうと、樹脂ペレットに含まれる水分によって、シルバーや気泡などの外観不良や、物性低下による強度不足などの製品の品質低下につながります。
乾燥不足が原因の成形不良
- シルバー
- 気泡
- 強度不足
- 水分によるガスショートなど
樹脂ペレット中に含まれる水分は、出来上がるプラスチック製品の強度不足や形状不良を引き起こすため、乾燥機を用いて樹脂ペレットに含まれる水分を取り除いてから投入する必要があります。
乾燥機には、色々な種類があります。
プラスチック原料は様々ですので、それぞれの原料に合わせた乾燥機を用いて、適切な温度と適切な乾燥時間で、樹脂ペレットを乾燥させる必要があります。
この記事では、射出成形の周辺機器専門メーカーとして、射出成形工場の生産効率UPや高付加価値提供に貢献している
カワタさんに、【乾燥機の選び方とおすすめの乾燥機】についてお話を伺いました。
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1.プラスチック原料の乾燥ポイント
予備乾燥不足は、全数不良になる重大トラブル!確実に準備しよう!
プラスチック原料に含まれる水分を除去する乾燥機を使用する際に、最も重要なことは「確実に予備乾燥されていること」です。
成形品の要求品質に応じて、最適な乾燥環境を整えましょう。
射出成形の基礎と乾燥機
射出成形は、プラスチック製品を生産するための主要な手段の1つです。
射出成形では、プラスチックの原料を加熱して溶かし、締め付けた金型に送り込みます。その後、冷却・固化させることで、プラスチック製品(成形品)を作り出します。
この射出成形の工程は、射出成形機と呼ばれる機械で行われます。射出成形機にも様々な種類がありますが、原料を熱で溶かして金型に注入するための射出ユニットと、金型に圧力をかけて金型の装着や開閉を制御する型締めユニットから構成される点は、共通しています。
射出成形機は、それだけで製品を生み出せる機械ですが、実際には様々な周辺機器が必要になります。その中で重要な機器の1つが、乾燥機です。
樹脂によって水分を含んでいますので、成形前にこの水分を乾燥して取り除かなくてはいけません。
プラスチック原料の乾燥において考慮すべきことは、下記の3点です。
- 乾燥方法
成形品の品質規格を満たす原料乾燥方法を選定します。
熱風乾燥で足りるのか。除湿乾燥機が必要なのか。 - 乾燥温度
樹脂によって水分を乾燥する温度が異なります。
樹脂に合わせた温度設定をします。 - 乾燥時間
乾燥不足によるシルバーまたは、乾燥しすぎによる変色など乾燥する時間がポイントです。
樹脂メーカーの推奨する乾燥時間を参考にしましょう。
乾燥機の設定を確実にし、不良品を作るムダを徹底削減していきましょう。
2.乾燥機を選ぶポイント
成形不良を出さないことが目的
プラスチック原料の予備乾燥は、良品成形に必須です。
目的に応じた乾燥機選定をしましょう。
樹脂によって、乾燥の必要 / 不要は異なります。
原料メーカーの推奨する予備乾燥設定を参考にしましょう。
- PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)など
一般的に予備乾燥は不要です。
原料保管場所が湿気っぽかったり、梅雨時期などは、予備乾燥することがあります。 - PA(ポリアミド)は吸湿しやすい樹脂の代表です。
しっかり予備乾燥が必要です。 - PC(ポリカーボネート)やABS(エービーエス)樹脂は、予備乾燥が必須です。
乾燥不足時は、パージした段階で、樹脂内全体ににプツプツ気泡が現れます。 - PSU(ポリスルホン)やPEEK(ポリエーテルエテルケトン)などは、高温の予備乾燥が必要です。
この様なスーパーエンプラは、樹脂の価格が高額ですので、しっかりと乾燥してトラブルのないように準備しましょう。
3.乾燥機の種類と特徴
プラスチック原料の乾燥機は、乾燥方法によって種類とその特徴が異なります。
【プラ太郎的 乾燥機比較表】
乾燥機の種類 | 乾燥方法 | 乾燥能力 | 機体価格 | 備考 |
①熱風乾燥器 | 熱風 | 〇 | 38万~ | ABSやPCなど |
②脱湿乾燥機 | 除湿熱風 低露点(-40℃)の空気 |
◎ | 120万~ | PAやスーパーエンプラ |
③窒素乾燥機 | 高窒素濃度化で材料乾燥 | ◎ | 350万~ | 黄変を嫌う光学部品などに効果的 |
④減圧(真空)乾燥器 | 加熱+真空ポンプで減圧乾燥 | ◎ | 222万~ | ホッパー容量小さく、 ランニングコスト低いので、精密な小部品向け |
下記に掲載されている画像は、カワタ公式サイトより転用しております。
①熱風式乾燥機
- 乾燥方法:熱風式
- 乾燥能力:〇
- 機体価格
ADFシリーズ:72万~
ADAシリーズ:38万~ - 一般的で汎用型
熱風乾燥機は、熱した空気を乾燥ホッパと呼ばれる部分に送り込んで、樹脂ペレットを乾燥させる装置です。
他のタイプの乾燥機に比べて安価なことが特徴です。
熱風乾燥は、一般的で簡便な乾燥方法ですが、水分を充分に取り除きたい場合には適していません。
ABS樹脂など、乾燥温度が70〜80℃と比較的低い温度での乾燥が必要な場合に適した乾燥方法です。
また、ポリエチレンやポリプロピレンなど、一般的にはほとんど吸水せず、通常は予備乾燥を必要としない樹脂に対して、表面の結露などを取り除く場合に、熱風乾燥機を利用して乾燥させることがあります。
②脱湿乾燥機
- 乾燥方式:低露点(-40℃)の空気
- 乾燥能力:◎
- 機体価格
DFCシリーズ:173万~
DRCシリーズ:120万~ - 熱風式の上位互換
脱湿乾燥機は、空気中の水分を吸湿剤(ハニカム)で除去した「乾燥空気」を利用して、樹脂ペレットを乾燥させます。
脱湿乾燥機は、除湿熱風乾燥機などとも呼ばれます。
乾燥に使用した熱風は、再度循環され、繰り返し除湿に利用されます。このため、熱損出が少なく、合理的な乾燥方法です。
脱湿乾燥機は、乾燥しきれない樹脂エンプラやスーパーエンプラなどに使われます。
また、立地の問題で、湿度が高くなってしまう成形工場でも、樹脂ペレットを低水分化するために利用されています。
③窒素乾燥機
- 乾燥方式:高濃度の窒素ガスで乾燥
- 乾燥効率:◎
- 機体価格:
DOシリーズ:350~500万
(特殊機のため、都度見積もりが必要です。) - 変色しやすい樹脂に効果的
窒素乾燥機は、乾燥ホッパ内に高濃度の窒素ガスを充満させ、低酸素状態にして加熱乾燥を行う方法です。
この方法では、空気乾燥に比べて酸化黄変による樹脂ペレットの劣化を軽減することができます。
このため、窒素乾燥機は、主に光学部品の成形に使われています。
特殊機のため、窒素乾燥機は高価です。
④減圧乾燥機
- 乾燥方式:加熱+真空ポンプによる減圧乾燥
- 乾燥能力:◎
- 機体価格
DVシリーズ:222万~ - ホッパー容量少ない、ランニングコスト低い。精密な小部品向け。
減圧乾燥機は、別名真空乾燥機とも呼ばれ、樹脂ペレットを真空ポンプで減圧し、その後ホッパーに直接加熱させる装置です。
減圧することで酸素濃度が低下するため、酸化黄変による樹脂ペレットの劣化を軽減することが可能です。また、乾燥時に発生する気化ガス成分を大幅に除去できるため、樹脂ペレットの乾燥だけでなく、金型のメンテナンス頻度を減少させることも可能です。
さらに、脱湿乾燥機に比べて、乾燥時間の短縮やランニングコストの低減ができるといったメリットもあります。
窒素乾燥機と同様に、減圧乾燥機は、他の乾燥機に比べて高価であることが一般的です。
乾燥不足の樹脂による成形品は全数不良になりますので、十分に準備してください。
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