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yuukiさん
ニゴです。
立会いに、間に合わないかも知れませんがご参考にお願い致します。
立上げ当初からの問題は、金型改造が近道だと思いますが、私でしたら
温調機の温度変更で成形品の流れを変えて見ます。
関係すると思われる箇所を書籍から抜粋して見ました。
【ガス】
キャビティのガス成分としては、キャビティ内に存在するエアや樹脂から発生するガス分があり、樹脂に微量に含まれた未反応成分や反応助剤、 添加剤、充填材の表面処理剤などによるもの、熱分解や加水分解によるものなどがある。
ガス抜きが不足であると次の不良現象が起こる。
① ガスのカウンター圧によって未充填になる。
②キャビティ表面汚れが成形品表面に転写して光沢不良となる。
③断熱圧縮によって高温になるため樹脂焼けを起こす
④ 断熱圧縮による温度上昇とガス成分の影響で金型表面が腐食する。その 結果、成形品表面の肌荒れや離型不良を起こす。
金型対策
① ランナにガスベントを設ける。
②ガスが集積しやすい流動末端にガスベントを設ける。
③均一肉厚に設計する。
④厚肉部の近くにゲートを設ける。
⑤圧力損失の小さいダイレクトゲートやサイドゲートに設計する。
【シルバー】
「金型が空気を巻き込む場合」
溶融樹脂の流動時に、ボスなどの部分で空気を閉じ込めてしまうと、この空気が逃げきれずに一度 閉じ込められた空気が、ボスから押し出されると、これが原因となってシルバー(以下銀条)を発生させることがある。
この場合は、材料が原因ではなく、ボスなどから出た空気が原因なので、銀条はほぼ同じ場所に発生する。 ボスが原因であるかどうかを確認するには、成形品のボス部を切り取り、 一時的に金型に埋め込むことによって、ボス部をなくしたトライで、銀条が消えるかどうか試す。
もし、切り取ったボスを入れると銀条が発生しないなら、このボス部が原因であることがわかる。
肉厚差のある成形品は射出速度でボス部への溶融樹脂の流動方向を変えることを試してみる。 ボス部での流動パターンが変えられない場合、ボス部分での射出速度を遅くすることが効果があることもある。しかし、通常はガス抜きを設けないとガスが逃げない。