プラスチックファン › フォーラム › 射出成形総合 › 保圧の機械的制御について › 返信先: 保圧の機械的制御について
こんにちはマルさん。
G.Nテック ニゴです。
【ご質問】
現在疑問に思っているのは、
① 保圧切替位置がショートの原因になるのか
② ①がYESならそれはなぜか
です。
私は①はYESだと思うのですが、②が説明できません。
【当方の考え】
⇒保圧切替位置がショートの原因になります。それは、射出速度が影響しています。
後輩から、質問を受けたと想定、皆さんの後なので、別の切り口から回答してみます。(間違っていたらごめんなさい)
まず、ショート の原因は、下記のように沢山あります。
①対象樹脂が製品設計上、L/tが大き過ぎる
⇒金型温度、製品肉厚(t)および樹脂圧力と 樹脂温度(粘度)等によって流動長さ(L)が変わる。
②肉厚差のある成形品
⇒流れやすい方に樹脂は流れるので流れが止まる所がシワや気泡、ショートになる。
③ガス逃げ不良等
⇒金型キャビティ内の空気が、入って来た樹脂によって逃げ道がなく圧縮されて、ショートになる。
1)射出工程
基本は速度制御
①圧力設定と速度設定
実際の射出波形(負荷)を見ながら、負荷よりも高い圧力設定(多数個取りのゲート詰まりも想定し高くし過ぎない)にして、射出速度を決めます(速度制御)。外観を重視して負荷よりも圧力を低く設定した箇所は圧力制御になります。
保圧切換え位置を満杯以上にすると、過充填ショック圧力が高くなってバリなどの成形不良の原因にもなります。 ショック圧力を防ぐには、 保圧切換位置の調整のほかに、射出圧力を下げることも必要です。
理想的には、この切換え位置は満杯時 の95〜98% 程度(色々あり)が望ましいとのことですが測ったことはありません。
2)保圧工程
基本は圧力制御
保圧切替位置によって保圧工程
①保圧切換えがあまり早すぎると、保圧工程といっても射出工程と同じことが起きます。保圧の速度設定がショック圧力回避のため低く設定されているために、この遅い速度になってしまいます。