粉砕機は射出成形工場にとって欠かせない重要な機械であり、廃棄ロスを削減し、再利用材を活用することで利益をもたらす存在です。しかし、粉砕機のトラブルの中でも最も多いのが、金属片の混入による粉砕刃の損傷です。粉砕刃が損傷すると、その影響が工場全体の稼働率や製品品質に大きく関わってきます。
そこで今回は、現場でできる粉砕刃の復旧ポイントを紹介します。トラブルが発生しても迅速に対応することで、被害を最小限に抑え、再発を防止することが可能です。
粉砕機 金属片の混入 破損した時の復旧ポイント
1. 粉砕材の廃棄

金属片が粉砕材に混入してしまった場合、そのまま再利用するとさらなるトラブルの原因となります。まずは、金属片が混入した粉砕材をすべて廃棄し、異物が残っていないことを確認しましょう。このプロセスを怠ると、機械内部にさらなる損傷を与えるだけでなく、次回の成形品にも影響が出てしまいます。
2. 粉砕刃の点検と修正

次に行うべきは、粉砕機内部の粉砕刃の点検です。回転刃と固定刃の両方を確認し、損傷がないかをチェックします。特に、先端が欠けたり薄くなった部分があれば、やすりなどで慎重に削り落とし、さらなる損傷が拡大しないように処置します。
粉砕刃が損傷したまま放置すると、再び機械に負担をかけ、修理が必要な状態まで悪化することがあるため、早めの修正が重要です。
3. 回転刃と固定刃の接触確認
修正後は、手で回転刃をゆっくり回して、回転刃と固定刃が干渉していないか確認します。粉砕刃が正しく配置されていることを確認し、どこにも接触していないことが確認できれば、修理作業は順調です。
4. 試運転と初粉砕の廃棄

修理後は試運転を行い、粉砕機が正常に動作することを確認します。この段階で行う初粉砕は、万が一の破片混入を防ぐために必ず廃棄します。初粉砕時に異常がなければ、通常の稼働に戻すことができます。
5. 混入予防策を実施
再発防止のためには、金属片が混入しないようにする予防策を講じることが重要です。以下のポイントを確認して、トラブルを未然に防ぎましょう。
- ランナーや成形品の投入経路の見直し
金属片が脱落しそうな機械を点検しましょう。ボウルとナットはねじロックで固定したり、割ピンを追加するなど、適切な対策を施します。 - マグネットセパレーターの導入
ランナーや成形品に金属片が含まれていないかを確認するため、ミニホッパーやブレンドタンクにはマグネットセパレーターを設置することを推奨します。これにより、金属片の混入リスクを大幅に減らすことが可能です。


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まとめ
金属混入による粉砕刃の損傷は、工場の稼働や製品品質に大きな影響を与える可能性があります。しかし、適切な手順を踏んで早急に対処することで、損傷を最小限に抑え、機械のダウンタイムを短縮することができます。
定期的な点検やメンテナンスに加え、混入防止策をしっかりと行い、長期的に安定した粉砕機の運用を目指しましょう。
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