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成形不良

射出成形における金型温度に起因する成形不良とその対策

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射出成形において金型温度は製品品質に大きな影響を与えます。適切な温度管理ができていないと、寸法異常や外観不良が発生し、歩留まりの低下や生産効率の悪化を招きます。本記事では、金型温度に起因する成形不良の原因と対策について解説します。

射出成形における金型温度管理の重要性

金型温度は、成形品の冷却速度や樹脂の流動性、寸法安定性に関係しています。温度が適切でないと、以下のような不具合が発生する可能性があります。

- 寸法異常(過収縮や過膨張)
- 外観不良(メラメラ、ヒケ、ウエルドライン悪化)
- 変形(ソリ、歪み)
- 表面異常(結露によるシミ)

では、具体的な原因と対策を見ていきましょう。

金型温度に起因する成形不良と対策

原因1:金型水管の詰まりによる循環不足

金型水管が劣化消耗すると、冷却能力が低下します。以下にあげる不良が発生します。

不良事象:
- 成形品の冷却不足により収縮が大きくなり、寸法異常が発生
- 表面がメラメラする(光沢ムラや白化)

対策:
金型水管の管理
- 定期的にエアーパージを実施し、金型水管の水垢、カルキや異物を除去(特に井戸水を使用している工場は注意)
- 定期的にウォーターリーマーを使用して水管を洗浄し、冷却効率を維持
- 水管の流量を確認し、必要に応じてポンプの出力を調整

原因2:キャビ・コアの冷却水温度差

キャビ・コアの温度差をつけて成形している金型において、温度差が変化することで不良が発生します。チラと金型温調機を使用し温度差をつけた金型に起こりやすいです。

不良事象:
- 成形品のソリや歪みが発生
- キャビ側とコア側の収縮率が異なり、ソリ、ふくれが発生

対策:
キャビ・コアの温度差を適正化
- 冷却水の流れを均一にするため、水管の配置を見直す
-チラと 金型温調機の設定温度を調整し、収縮バランスを最適化
- 流量に余裕のある温調装置を導入し、温度変動を抑える

原因3:夏の高温環境下における金型の結露

暑い夏の環境下で、キンキンに冷えた金型は結露します。結露が製品に付着すること発生する不良は下記の通りです。

不良事象:
- 成形品表面に水滴が付着し、シミや外観不良が発生

対策:
配管ホースの断熱処理
- 冷却水ホースに断熱カバーを装着し、外気との温度差を緩和
- 冷却配管経路を見直し、製品面直上に結露が発生しないようレイアウト変更
- 環境温度を一定に保つため、成形機周辺の空調管理を強化

まとめ

射出成形における金型温度管理は、製品の品質を左右する重要な要素です。冷却不足や温度差、環境要因による問題を事前に把握し、適切な対策を講じることで、不良品の発生を抑え、生産効率を向上させることができます。

ポイント

本記事のポイント
✅ 金型水管の詰まりは、エアーパージやウォーターリーマーで定期清掃
✅ キャビ・コアの温度バランスを調整し、ソリや歪みを防止
✅ 結露対策として断熱処理や配管レイアウトの見直しを実施

適切な金型温度管理を行い、高品質な成形を実現しましょう!

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プラ太郎

プラ太郎

「射出成形業界を繋ぐ」プラファン運営者|特級技能士|若手に向けて射出成形スキルを熱血発信|俺たちの仕事 射出成形は超カッコいい|射出成形機をモチーフにしたプラモデルPLAIVE|

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