射出成形の金型取付作業は、製品品質と安全性に直結する重要な工程です。金型を正確に取付け、成形機やクレーンの操作を慎重に行うことで、安定した製品製造と設備の保護が確保されます。ここでは、射出成形の金型取付作業の基本手順と、各ステップでの注意ポイントについて詳しく解説します。
1.金型取付作業ポイント
金型取付では、成形機の条件と金型の仕様が合致しているかを事前に確認することが不可欠です。タイバー間隔や型厚、ロケートリングの位置を確認し、適切な水平調整を行うことで、スムーズな製品成形を行います。
- 成形機のタイバー間隔、型厚(最低・最高)、ロケートリングを確認し、金型サイズやロケートリングに適合するか確認。
- エジェクターロッドを選定し、水平器で金型の水平を調整。水平器がない場合はプラテン端から天地の長さを合わせる。
- クランプの選定時には取り付け板の高さに注意。
2.クレーン操作ポイント
クレーンを使用しての金型移動は、精度と安全性が求められます。吊り具の適正荷重を確認し、吊り込む際には成形機やタイバーに接触しないよう慎重に操作することがポイントです。さらに、金型の水平を保ちながら固定する工夫も必要です。
- ノッチに注意して操作し、金型が固定側に対して水平に吊れるようワイヤーやシュリングで調整。
- 吊り具の適正荷重を確認し、タイバーや機械への衝突を避けながら慎重に吊り込み。
3.型締力調整のポイント
成形工程では、金型の熱膨張を考慮した型締力調整が重要です。金型を温めた後、低圧金型保護の動作を確認しながら適切な型締力を設定することで、安定した生産と金型の保護が実現します。
- 金型の熱膨張を考慮し、温まってから型締力を調整。厚紙を挟み、低圧金型保護が働くか確認。
4.型準備モードでの作業ポイント
金型取付後、慎重に型を開けて内部を確認します。このとき、摺動部の異音や不具合、リミットスイッチの正常動作を確認することで、金型の状態を把握し、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
- 金型取付後、型を少しずつ開けて確認。
- 摺動部に異音や動作不良がないか、エジェクターやリミットスイッチの反応もチェック。
- チラ、温調機のホースを挟まないように支持する。