この記事では、技能士としてスキルアップしても会社の評価が変わらなかった現実と、それにどう向き合うべきかをお話しします。
目次
1.技能士としてキャリアアップを目指して
何の知識も技術もない24歳の頃、ただひたすら「頑張れば給料も上がる」と信じて働いていました。射出成形技能士の資格取得を目指し、年収アップを狙い、努力を重ねた結果、年収550万まで到達。ですが、そこから先は変わらない評価に直面しました。
特級技能士の資格を取得しても、上司や会社の評価は変わらず、仕事量だけが増える毎日。毎月100時間を超える残業にも耐えたものの、評価されることもなく、ただ「自分が空回りしている」と感じるばかりでした。
2.現場技能士としての現実
射出成形の現場技能士として働いてきて感じたのは、技能職にはある種の「相場」があるということ。技術を磨いても、評価の上限が決まっているようでした。
- 現場作業者には「相場」がある
努力を積み重ねてスキルアップしても、上がらない年収。「出る杭は打たれる」という古い習慣が根強く残り、年功序列も色濃く存在していました。 - 管理職になっても知れている現実
現場を取り仕切る管理職も、高給とは程遠く、会社の都合に振り回されることが多い。責任ばかり増えるのに、見合った待遇は得られない。 - 給与=時間の切り売り
残業100時間を超える生活を続けて気づいたのは、給与とは自分の時間を売って得ているものだということ。自分だけがやる気を出しても、周りの同僚は生活のために淡々と働き、モチベーションに大きなギャップがありました。
3.資本主義とお金の仕組みを理解したとき
自分一人の努力ではどうにもならないと痛感したとき、「金持ち父さん貧乏父さん」で紹介される「ラットレース」を思い出しました。雇われる側にいる限り、資本を持つ経営者にコントロールされ、労働力として使われるだけ。いくら頑張っても、労働者は経営者の計画の駒でしかない。だからこそ「労働者として搾取されない知識」が重要なのです。
4.転職で見えた新たな価値
そんな折、転職活動を決断し、複数のオファーを得た中で年収700万円の条件を提示される企業がありました。そこは、私が持つ技能士としてのスキルを高く評価してくれ、年間休日124日、残業もほとんどない好条件。驚きと共に、「ここまで違う環境があるのか」と新しい価値観が広がった瞬間でした。
5.技能士としての価値を再確認する
技能士は単なる「作業員」ではなく、技術を持ち、会社に貢献できるプロフェッショナルです。技能士が適切に評価されるためには、以下の要素が大切です:
- 会社の都合に左右されない知識を持つこと
資本主義や経営の仕組みを理解し、自分の価値を自分でコントロールするための知識を身につけるべきです。 - 会社に依存せずに対等な立場で契約を結ぶ力
自分のスキルを適切に評価してくれる企業を見つけ、企業と対等な労使契約を結ぶことが重要です。 - 視野を広げ、転職やスキルの再評価を検討する
自分のスキルを正当に評価してくれる場を見つけることで、技能士としての価値が高まります。
プラファンメンバーの皆に一言:自分の価値を守るために
技能士の皆さん、どれだけ会社に尽くしても、その価値を正しく評価されない環境であれば、自分の未来は変わりません。自分の価値を理解し、それを守る行動を始めましょう。転職やスキルアップだけでなく、正しい知識を持ち、雇用主と対等に交渉できる力が、技能士としてのあなたの価値を高めます。