射出成形の仕事

射出成形 特級技能士が教える 粉砕機トラブル 原因とメンテナンス

2022年1月2日

射出成形業
原料を溶融して、金型に充填することで製品を成形します。

仕込んだ原料の100%全てを製品に成形はできません。
どうしてもスタート捨てショットと、不良が出てしまいます。

不良品は、粉砕して再利用します。

粉砕材を制するものは成形を制す】といっても過言でないくらい重要です。

不良品は捨ててしまえばゴミですが、
粉砕してもう一度製品に成形することで利益に繋がります。

その粉砕材を作り出すのが「粉砕機」です。

射出成形工場の【縁の下の力持ち】です。

そんな粉砕機に関して、よくあるトラブルの原因と対策をシェアしていきます。

1.粉砕機のよくあるトラブル

(ⅰ)Vベルトの劣化、亀裂

粉砕機は、モーターの駆動をVベルトを介して回転刃に伝えている。
そのVベルトは、毎日の稼働によって劣化していく。
Vベルトが劣化することで、モーターの力が伝わりづらくなっていく。
粉砕力が減ってしまう。
定期的にVベルトの交換をしよう。

【点検ポイント】

Vベルト内側(プーリー側)が劣化し、弾力がなくなっていき、亀裂が入っていく。

 

【交換手順】

  1. Vベルトの交換
    ①Vベルト外側に印字してある規格(B50など)新品Vベルトを準備する。
    ②モーターのテンションナットを緩めて、Vベルトのテンションを緩める。
    ③プーリーを手で回し、マイナスドライバーを使い、Vベルトをズラして外す。
    注意ポイント:プーリーとVベルトに指を挟まない様、指を間に入れない。④新品Vベルトをはめる。
    ⑤モーターのテンションナットを締め込み完了。

【Vベルトの劣化画像】

【Vベルト外し方動画】

 

(ⅱ)スイッチの劣化(マグネットスイッチ)

長年ON・OFFを操作しているうちに、マグネットスイッチの接点が劣化していきます。
劣化したマグネットスイッチは、ONしても200Vが2次側に送れなくなります。

テスターで2次側の電圧を確認して、200V出ていないならマグネットヒーターを交換しましょう。
(UVWを2本づつテストします。UV、VW、WUにて200V出てるか確認する。)

【マグネットスイッチ 2次側をテスターで点検している画像】

 

(ⅲ)粉砕刃の消耗

粉砕刃は消耗品です。
定期的に研磨が必要です。

粉砕機は、固定刃と回転刃がプラスチック製品、ランナーを噛み砕いて粉砕します。

【粉砕機 固定刃と回転刃の画像】

🟦が回転刃 🟡が固定刃

プラスチック製品は、鉄製の刃より柔らかいので、簡単に粉砕されます。
しかし、年月が経つごとにその先端は丸まってなまくらになっていきます。
特に、ガラス入りの原料を粉砕するとドンドン消耗します。

【先端がなまくらになった粉砕刃の画像】

【粉砕刃の消耗対策】
刃先の消耗した固定刃、回転刃は研磨が可能です。
ただし、ユーザーで施工は難しい。
・粉砕機のバラシ、組み込みが難しい
・粉砕刃の研磨は、ノウハウがわかってないとできない

粉砕機メーカーや、専門の機械屋さんにお願いして研磨してもらいます。

 

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