射出成形業で、人件費の次に経費としてかかるのが「原料費」です。
原油高に伴って、プラスチック原料の価格はどんどん上がっています。
射出成形業は、原料を仕入れて金型に充填する加工業。
仕入れた原料を効率的に製造しなければ、利益は残せません。
特にエンプラなど高機能原料、添加剤やマスターバッチは高額です。
「決められた混合比を守って混合する。」は当たり前です。
しかし、わかっている様で、しっかり理解できていない人が多いのが【混合比】です。
本日は、原料混合の基本をシェアしていきます。
1.混合の基本
製品規格で、原料の混合比は決まっています。
例えば、
(ⅰ)粉砕比率は30%
(ⅱ)マスターバッチ40倍 など
主材+粉砕材、主材+マスターバッチなど、2種類の混合は理解が簡単と思います。
(ⅰ)粉砕比率30%
主材70%に対して、粉砕材30%で混合する。
主材7:粉砕材3
(ⅱ)マスターバッチ40倍
主材40に対してマスターバッチ1で混合する。
主材40:マスターバッチ1
2.混合比の応用
2種類の原料を混合するのは理解が簡単です。
次は、3種類の原料を混合する時の考え方を解説していきます。
(ⅰ)主材①+主材②+マスターバッチ
基本の考え方をベースに考えていきます。
主材が2種類ある時は、どう配合するのでしょうか?
主材①70%+主材②30%+マスターバッチ40倍
この時の考え方は、
(主材①70%+主材②30%)に対して40倍のマスターバッチを配合する。が正解です。
主材①は40倍の70%、主材②は40倍の30%です。
主材①28:主材②12:MB1
主材①28kg、主材②が12kg、MBは1kg
MB1kgで40kgの着色が可能で、出来上がりは41kgです。
(ⅱ)主材+粉砕材+マスターバッチ
主材は着色してません。しかし粉砕材はすでに着色済です。粉砕材にマスターバッチを配合する必要はありません。
主材70%+粉砕材30%+マスターバッチ40倍
この時は、主材に対して40倍のマスターバッチが必要になります。
そして、粉砕材はすでに着色済みなので、主材を70%と考えて30%分が適量になります。
主材40:粉砕材17:マスターバッチ1
主材40kgに対して、粉砕材17kg、MB1kg
MB1kgで、40kgの着色が可能です。そこに着色済みの粉砕材が加わり全体で58kgになります。
3.まとめ
きちんとマスターバッチの混合比を計算して、
損しないように混合しましょう。
間違いやすいポイントは、着色済粉砕材を再利用する時は粉砕剤分のMBは不要ってこと☝️
原料計算ミスで損するなんてことが無い様にね☝️