プラスチックの教科書 射出成形の仕事

【新人向け】射出成形とは? 技能検定 技能士 プラスチック成形

2020年4月28日

私たちが生活する上で、プラスチック製品はかかせません。

【身の周りのプラスチック】

  • 自動車
  • 家電
  • スマートフォン
  • キッチン、お風呂
  • 食器
  • 家具

【職場】

  • 機械
  • 工具
  • パソコン
  • オフィス機器

などなど、

 

ありとあらゆるものがプラスチックでできています。

 

そんなプラスチック製品を作る方法の1つに射出成形という製造方法があります。

 

本日のテーマは、射出成形とは?

 

新人さん向けに、簡単に解説します。

1.射出成形とは?

身の周りにあるプラスチック製品の多くは、

射出成形という方法によって製造されています。

割合でいうと、全プラスチック製品の9割以上になります。

(ⅰ)射出成形の原理

射出成形は、射出成形機にて、熱して溶かしたプラスチック原料を、金型に注入し、冷え固め取出して製品を製造します。

【射出成形の工程】

  1. プラスチック原料に熱を加える
  2. 金型に流し込む
  3. 冷却して固める
  4. 金型から取出す

【使用する機械】

  • 射出成形機
  • 金型
  • 温度調節機
  • 取出機

(ⅱ)射出成形の特徴

プラスチックは、木や鉄など他の素材で製造されていた製品の代わりる素材として広く使われてきました。

木、鉄などの素材に比べて、多くのメリットがあります。

 

そんな素晴らしいプラスチック素材を、加工するのに一番適していたのが射出成形なんです。

【射出成形の強み】

  • 同じをモノを大量に生産できる。
  • 金型によるデザインの自由度が高い。
  • 製品の仕上がりが綺麗。
  • もちろんプラスチックは錆びません。

金型を1回作ってしまえば、同じプラスチック製品を量産できます。

デザインは、金型設計で自由度が高く、金型表面を磨き込むことで、プラスチック製品の表面もきれいに仕上がります。

もちろんプラスチックは、錆による劣化はありません。

 

加工しやすいプラスチックは、色々な分野で使われきました。

そんなプラスチックにも弱点はあります。

【プラスチック素材の弱点】

  • 強度、耐久性が弱い
  • 溶剤、薬品に弱い
  • 紫外線に弱い
  • 寒さに弱い

プラスチックは、加工しやすい分、弱さもあります。

そんなプラスチックも弱点を補うように、改良がくわえられてきました。

【プラスチック素材の進化】

用途に合わせて特化した原料が開発されてきました。

強度、耐久性、耐薬品性などを強化された工業製品向けは、エンジニアプラスチック(エンプラ)、スーパーエンジニアプラスチック(スーパーエンプラ)と呼ばれています。

カーボンやガラス繊維を混ぜ、プラスチックの弱点を強化した原料もあります。

 

そんな日々の進化により

射出成形(大量生産)+改良されたプラスチック素材

の特徴を生かし、現代社会のモノはほとんどがプラスチック製品になってきた訳です。

2.射出成形の仕組み

それでは、射出成形の加工方法を見ていきましょう。

射出成形の原理で解説した様に下記の通りです。

【射出成形の工程】

  1. プラスチック原料に熱を加える
  2. 金型に流し込む
  3. 冷却して固める
  4. 金型から取出す

詳しい解説は、こちらの記事を参考に↓

1から解説 スクリュー式射出成形機の構造 「技能検定」 「射出成形」

3.射出成形の定説

射出成形の仕組みが理解できたところで、

次は、射出成形の一般的な考え方を少し紹介していきます。

(ⅰ)バラツキ管理

「製造業は、ばらつきをいかに抑えるか?」が良品を作るうえでの最大のポイントになります。

プラスチック製品の製造業の中の1つです。

 

商品には、品質の限度があります。

プラスチック製品の品質基準の例を挙げれば

  • 全長は、100±0.5mm。
  • 重量は、20±1.0g。
  • 異物は、0.3㎟が2つまで、ただし50mm以上離れていること。
  • シルバーは、無き事。   など

お客様が要求する基準が、たくさん決まっています。

 

この要求される基準内に収まる様に製品を製造していきます。

 

製造していく中で、いろいろな要因により製品のバラツキが起こります。

  • 原料ロットの変化
  • 金型のガス蓄積によりガス逃げが悪化
  • 室温、湿度
  • 季節  など

その様な変化が起こっても、安定して基準内に収まることが重要です。

 

(ⅱ)金型9割

製品の良し悪しを決めるうえで、金型の出来が重要です。

製品の良し悪しは金型の出来で決まるといっても過言ではありません。

【プラスチッ成形格言】

製品の良し悪し=金型9割

 

前項で解説した通り、製造業では、バラツキを許容していくことが重要です。

製品の品質要求を満たすには、それほど金型の出来に左右されるという意味です。

  • 寸法精度
  • 外観(ヒケ、シルバー、気泡など)
  • 離形傷
  • 変形

など、成形条件で調整するよりも、

基本的に金型で対応、処置したほうが良い結果が出ます。

 

良い金型は、どんな条件でも良い製品(良品内に収まる)が成形できる。ということです。

(ⅲ)射出成形技能士は、多能工

射出成形の業務は、多岐にわたります。

  • 原料発注
  • 生産計画
  • 製造
  • 金型
  • 機械メンテナンス
  • 電気改造
  • 設備(水、エアー)
  • 倉庫管理
  • 納期管理
  • クレーム処理、是正処置
  • 新商品の開発   など

本当にいろいろな知識、スキルが必要です。

「知らない。できない。では、仕事が進まない。」

結局、なんでもできる様になっていきます。

 

逆に、業務を通していろいろな経験があなたのスキル技術を磨いてくれます。

4.まとめ

射出成形の原理から特徴など、新人さん向けに簡単に解説してきました。

射出成形技術は時代の流れとともに発展し、今後もさらに世の中を便利にするために進化していきます。

 

昨今、プラスチックは海洋汚染の問題で【悪者】になっています。

しかし、プラスチック製品自体の問題ではなく、それを扱う我々人間のモラルの問題です。

 

とはいえ、プラスチック業界は今ターニングポイントに差し掛かっています。

 

大量生産→大量消費が生んだ環境汚染に、向き合い共存していかなくてはいけません。

 

今後はさらに、

  • 地球環境にやさしいプラスチック素材の開発
  • プラスチック製品の再利用  など

限りある資源をこれ以上壊さないために、創意工夫をしていく努力が必要です。

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