まず射出成形工場では、成形品を製造、販売することが生業です。
成形工場に勤務されている
- 20~30代の初心者
- 新人教育担当者
向けに、射出成形業界の仕組みを簡単丁寧に解説していきます。
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1.製造業の仕組み
「ものづくり」をして社会に貢献する業態です。
材料を加工して、製品を作ることが価値になります。
お客さんの要望に応えて、代わりにものづくりをすることです。
2.射出成形業の仕組み
射出成形は、製造業の1つです。
射出成形工場の簡単な流れ
- 原料を仕入れ
- 射出成形機+金型で加工
- 出荷
3.射出成形にかかる費用
大まかに射出成形にかかる費用の内訳を表にまとめました。
売上 | 経費 | 原料費:プラスチック原料や副資材 |
光熱費:電気、ガス、水道代 | ||
工場、設備の償却費:固定資産の償却 | ||
人件費:社員、パート、派遣。 | ||
通信費:電話、Wifi | ||
輸送費:トラックの消耗 | ||
保管費:倉庫、フォークリフト | ||
販売管理費:営業費用や広告代 | ||
利益 | (儲け、付加価値) |
仕入れた原料を、機械で加工し、お客さんに出荷する。
この差額が、利益になります。
いかに安く仕入れて
いかに効率よく加工して
いかに高くお客さんに買っていただくか。
その企業の利益は大きく変わってきます。
利益は、さらなる企業の発展、閑散期の緩衝材として必要です。
4.利益を増やすには
利益を増やすには、それぞれのこうていを最適化することがポイントです。
- 仕入れを下げる
- 経費を下げる
- 売上を上げる
①仕入れを下げる
原料や梱包資材などを安く仕入れることができれば、利益は増えます。
お客さまから直接支給される原料は、その仕入れ単価や量は指定されるので変更が難しいですが、自社で購入できる原料、資材は改善ができます。
□原料・副資材 仕入れのコツ
ⅰ仕入れ先を変える
原料は、原料メーカー、商社、着色屋などから調達しますね。
原料の取り扱いは、各社で得意不得意があるので、他の会社から仕入れる事で大きく下げられることもあります。
ⅱ仕入れ量を変える
仕入れ量を多くする事で、割安に仕入れられます。
発注頻度が減れば人件費は減りますが、保管費用は増えてしまうのでバランスが重要です。
ⅲ原料を変える
各社原料メーカーは、特性の同じ又は似ている原料があります。
海外から輸入している原料を、国産原料に変える事で大きく下げることが可能です。
ⅳネットを活用する
今インターネットで調べれば、いろんなサービスがあります。
特に、PPやPEなどの再生原料や、段ボールなどの梱包資材は、基本的に汎用性が高く、ネットで簡単に【最安値】が検索でてきます。
うまくネットを活用して仕入れ額を下げましょう。
(ⅱ)経費を下げる
加工するための経費は様々ですが、今回は一番の負担とされる人件費を抑えるコツを紹介していきます。
□人件費を抑えるコツ
やはり一番費用のかかる経費は人件費です。
- 慣習による無駄な残業
- 人の手が多くかかる工程
- 効率の悪い生産
要因は様々ですが、【省人化】は今の時代でマストです。
対策として、
- しっかりと計画を立てる
- 工程改善
- 自動化
a.しっかりと計画を立てる
1番効果的なのは、しっかりとした生産計画を立てることです。
段取り8分の格言通り、先の計画が見通せれば、生産は安定、無駄な残業もなくなり、従業員への負担も軽減されます。
b.工程改善
計画の次は、工程です。工程を見直す事で、人件費は確実に下がります。
【ムダ取り】という言葉がありますが、徹底的にムダを取りましょう。
マニュアル化することで、さらに人件費を下げて行きましょう。
c.自動化
今後、確実に人件費は高騰していきます。人口減少は加速していきます。
人件費が、付加価値を圧迫するのは目に見えている未来です。
人件費にかける経費を設備に投資し自動化を進めましょう。
製造業は、単純反復作業の集まりです。
そんな単純反復作業はロボットに任せましょう。
また、出来高入力や伝票作成などは、どんどんパソコンを利用して作業を軽くしていきましょう。
(ⅲ)売上を上げる
売上を上げれば付加価値は上がります。
しかしこれは難しいですね。
商品の売値は決まっていますので、単価は上げられません。
ですので、注文数を上げる事で付加価値を上げる事ができます。
- 営業力
- 生産能力
- 安定品質
- 納期厳守
- 法令順守
など、しっかりと実績を積み重ねて行く事で、注文を多く頂けるよう努力していきましょう。