目次
技能検定「射出成形」の難易度は?
各項目ごとに説明解説し、総合的に難易度を判定してみます。
1.等級区分・実務経験
技能検定は、試験基準が下図の通り区分されています。
実務経験 | レベル | |
2級 | 2年以上 | 中級 |
1級 | 7年以上 | 上級 |
射出成形の実務経験とはいうものの、射出成形に関する企業に勤務していれば実務経験としてカウントされます。
実際、私の実務経験を紹介します。
【2級受験】
1年目 射出成形機や周辺機器のサービスマン。
2年目 転職し射出成形工場に勤務(成形課配属)。
3年目 累計2年とカウントされ、2級受験となりました。
【1級受験】
2級合格から、2年後に1級受験可能となります。
転職の都合で、2級合格から、3年後に1級受験となりました。
○ポイント
射出成形に関する企業に勤務していても、「射出成形技能検定の”芯”に携われない部署(例えば生産管理課や品質管理課など)」に配属となった方の受験は、通常の業務外に、知識また経験(特に実技試験)を積む機会が必要です。
2.試験範囲
(ⅰ)学科試験
学科試験で求められる、技能及び知識の試験範囲がとにかく広い。
試験科目で8分類あり、0からの勉強では専門的な記述が多く、経験がない科目では理解できない細目がある。
技能検定2級の有することとなっている技能知識は、”一般的や概要”の知識なのですが、
0からの人が実務経験2年で、通常業務、OJT、社内教育などで習得できるレベル以上と思います。
1級もしかりですが、技能検定試験を合格する為の勉強は必要です。
【学科試験 まとめページ】
(ⅱ)実技試験
実技試験でもとめられる技能は、【射出成形作業】です。
「時間内に良品と思う製品を必要個数成形すること」をベースに、安全に作業をできるかがポイントです。
1級2級共に、受験者の半数以上が制限時間打ち切りで失格となる試験ですので、いかに手際よく工程ごとにこなせるかを意識しましょう。
【実技試験 まとめページ】
各工程ごとに詳しく解説しています。
3.難易度は?
やはり技能検定のあらましにある、「技能検定とは、働く人々の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明する技能の国家検定制度」の文言の通りですね。
「射出成形技能士」を名乗るに値する知識と技能を持っていなければ、合格できない様になっています。
(ⅰ)2級技能検定 難易度
学科試験 易しい
実技試験 易しい
実務経験2年以上の中級レベルの試験としては、
学科試験は、試験科目の範囲は広いが例年出題される傾向はあるので、過去問題を数年分繰り返し解くことで、合格に必要な知識を習得することが可能です。
実技試験は、PS、ABS樹脂を20個づつですので、安全作業遵守し、ある程度の練習をすれば合格可能です。
(ⅱ)1級技能検定 難易度
学科試験 易しい
実技試験 難しい
実務経験7年以上(2級合格後2年以上)の上級レベルの試験としては、
学科試験は、2級受験を経験された方でしたら、少し難しくなる程度です。1級から受験される方には、覚えることが多くて困惑されることと思います。ですがやはり例年出題される傾向はありますので、過去問題を数年分解くことで、合格に必要な知識を習得することが可能です。
実技試験が問題です。「難しい」レベルです。2級と比較してはるかに難易度は上です。PS、PCの40個づつは、受験生の半分は時間切れになってしまいます。綿密にシュミレーションをして、確実に作業をしていかなければなりません。
まとめ
技能検定「射出成形」の2級は中級レベルの試験と考えれば、納得の難易度です。
ネックは”1級の実技試験”で間違いありません。難易度は、”難しい”です。
技能検定で問われているのは、「射出成形作業」です。「通常業務でいう良品」をとる必要はありません。高品質な成形品を追い求めすぎると、時間切れになってしまう方が多い傾向です。
試験金型は「通常業務でいう良品」ができないように設計されています。
ですが、実技試験の問題には、「成形材料ごとに良品と思うものを40個ずつ提出しなさい。」と記述があるのです。
ここの「良品」を「通常業務でいう良品」の品質レベルと考えると、はまってしまうのです。
技能検定で問われているのは、「射出成形作業」=「試験金型で成形可能な良品」を時間内に成形することです。