1級2級 学科試験

射出成形 2級 学科試験 「成形機」

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2級 第3分類 「成形機」試験科目及びその範囲の細目

5科目が対象となります。

  1. 射出成形機の種類及び構造
  2. 射出成形機の油圧系統の要素及び機能
  3. 射出成形機の電気系統の要素及び機能
  4. 射出成形機の制御系統の要素及び機能
  5. 射出成形機の付属機器及び装置の種類及び機能

見ずらいですね。。。要点を強調すると

↓↓↓

  1. 射出成形機の種類及び構造
  2. 射出成形機の油圧系統の要素及び機能
  3. 射出成形機の電気系統の要素及び機能
  4. 射出成形機の制御系統の要素及び機能
  5. 射出成形機の付属機器及び装置の種類及び機能

「成形機」全般の知識の問題ですね。

1科目ごとに<細目>、例題、解説してまいりましょう。

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1.射出成形機の種類及び構造

<細目>

1 射出成形機の種類及び構造に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること。

(1) 射出成形機の種類及び機能

(2) 次に掲げる装置の構造及び機能

  • イ 材料供給装置
  • ロ 可塑化及び射出装置
  • ハ 型締装置
  • ニ 突出装置
  • ホ 駆動装置
  • ヘ プロセス制御装置
  • ト 安全装置

2 射出成形機の選定に関し、次に掲げる事項について詳細な知識を有すること。

(1) 使用材料の成形性及び成形条件

(2) 成形品の高さ、投影面積、単位重量及び取り数

(3) 金型の外形寸法及び作動ストローク

 

例1)射出成形機のスクリューヘッドの結合部のねじは、右ねじである。

↑「誤」

「逆ねじ」です。

 

例2)電動式射出成形機に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ 作動油の管理は、不要である。

ロ 安全装置の確認は、不要である。

ハ 油圧式に比べて、電気消費量が少ない。

ニ 油圧式に比べて、静かである。

↑「ロ」

安全装置の確認は、必要です。(安全ドア、パージカバー、射出台の旋回装置など)

 

例3)射出成形機に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ 油圧駆動射出成形機は、電動射出成形機よりも冷却水を多く必要とする。

ロ トグル式型締装置の潤滑油は、油圧作動油よりも高粘度である。

ハ 油圧系統内に設置されるアキュムレータには空気が封入されている。

ニ 高圧油圧系統に設置されているラインフィルタの交換は、1年に1回を目安とする。

↑「ハ」

アキュムレータには、窒素ガスが封入されています。

 

例4)タイバー間隔等の表示に用いるH×Vは、Hが垂直方向でVが水平方向の寸法を表す。

↑「誤」

記述は逆である。

H=水平(英:ホライズン)、V=垂直(英:バーティカル)

 

例5)加熱シリンダの各ゾーンとその役割について、誤っているものはどれか。

イ ホッパ下ゾーン:ホッパから投入した樹脂温度の調節。

ロ 供給ゾーン  :射出量を正確に制御する逆流防止弁を持つ。

ハ 圧縮ゾーン  :せん断発熱と外部加熱による樹脂の溶融と脱気

ニ 計量ゾーン  :溶融樹脂の混練と均一化

↑「ロ」

下図の参照ください。

供給ゾーンに「逆流防止弁」はありません。スクリューヘッドについてます。

 

例6)オーバーストローク防止装置は、直圧式型締装置の型締ラムが前進した時、フランジを破損させない為の安全装置である。

↑「正」

 

スクリュー式射出成形機の基本も参考にしてください。

図解 射出成形機の構造 スクリューの役割 特級技能士が徹底解説

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2.射出成形機の油圧系統の要素及び機能

<細目>

射出成形機の油圧系統の要素及び機能に関し、次に掲げる事項に ついて概略の知識を有すること。

(1) 次に掲げる油圧機器及び附属品の種類、特徴及び用途

イ 油圧ポンプ及び油圧モーター

ロ 弁 類

ハ 管及び管継手

ニ 圧力計

ホ アキュムレータ

ヘ オイルフィルター及びオイルクーラー

ト パッキン類

チ ピストンリング

リ ホース類

(2) 油圧回路の保守に関して次の事項

イ 空気の混入防止及び空気抜きの方法

ロ 油洩れの補修方法

(3) 作動油の種類、特徴及び取扱い方法

 

例1)油圧回路内に使われている圧力スイッチは、流体圧力が所定の値に達したとき、電気接点を開閉させるスイッチである。

↑「正」

 

例2)油圧装置において、回路圧力(最高圧力)を一定に保つために使用される制御弁はどれか。

イ レデューシングバルブ

ロ アンロードバルブ

ハ リリーフバルブ

ニ シーケンスバルブ

↑「ハ」

レデューシングバルブとは、「減圧弁」のことで、主回路とは別に低い圧力を必要なときに使用されます。

アンロードバルブとは、油圧ポンプの吐出量の全量をほとんど大気圧に近い圧力でタンクに戻して、油圧ポンプを無負荷にさせる働きをします。

シーケンスバルブとは、2つ以上の分岐回路の間に設けて、圧力によって油の流れる方向を変え、操作の順序と回路の圧力を自動的に制御するバルブです。

 

例3)アンロード弁は、ポンプの全吐出量をほとんど大気圧に近い圧力でタンクにもどし、ポンプを無負荷にさせる働きをする。

↑「正」

 

例4)プレッシャースイッチは、設定圧に達すると油圧により回路を開閉して、所定の圧力範囲を保つ働きをする。

↑「誤」

記述は、リリーフバルブのことである。

 

例5)射出成形機の油圧機構に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ 型締シリンダとピストンのシールには、バックアップリングとOリングが併用される。

ロ 油圧アキュムレータの中には、酸素が封入されている。

ハ ギヤポンプは、ハウジングに密接した駆動歯車と従動歯車で構成されている。

ニ 可変吐出量ポンプは、型締め、射出等の速度制御をするために用いられる。

↑「ロ」

アキュムレーター内は、窒素ガスが封入されている。

 

3.射出成形機の電気系統の要素及び機能

<細目>

射出成形機の電気系統の要素及び機能に関し、次に掲げる機器について概略の知識を有すること。

(1) 制御盤

(2) タイマー

(3) スクリュー回転計

(4) 近接スイッチ

(5) リミットスイッチ

(6) 継電器

(7) デジタルスイッチ

(8) サーボモーター

(9) 温度調節計

 

例1)加熱シリンダのバンドヒータが単位時間当たりに発生する熱量は、電流値の二乗に比例する。

↑「正」

ジュールの法則の問題です。

ジュールの法則とは、導線に電流を通したとき、一定時間に発生する熱量は電気抵抗および電流の強さの2乗に比例するという法則。

 

例2)電気機器の用途に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ スクリュー回転計は、材料の可塑化、溶融、計量の指針等の目安になっている。

ロ リミットスイッチは、作動位置制御に用いられる。

ハ 自動温度制御には、ON-OFF式が多く用いられる。

ニ 加熱シリンダに用いられるヒータは、バンドヒータである。

↑「ハ」

温度制御は、PID制御が一般的である。

「PID制御とは、入力値の制御を出力値と目標値との偏差、その積分、および微分の3つの要素によって行う制御方法。

ON-OFF式制御とは、わかりやすく例をあげると「電気こたつ」の様な制御です。設定値に一定に保つのは難しいですが、安価なのが特徴です。

 

4.射出成形機の制御系統の要素及び機能

<細目>

射出成形機の制御系統の要素及び機能に関し、次に掲げる事項について概略の知識を有すること。

(1) 次に掲げる制御についての関連用語

イ デジタル

ロ アナログ

ハ ソフトウェア

ニ ハードウェア

ホ CPU

ヘ センサー

ト 電磁波障害

(2) 次に掲げる制御の機能

イ シーケンス制御

ロ プログラム制御

ハ PID制御

ニ オープンループ制御

ホ クローズドループ制御

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例1)指針で大きさを表す油圧計は、デジタル計器である。

↑「誤」

「指針」は、アナログ計器です。

 

例2)射出速度のプログラム制御は、主として、成形品の寸法精度の安定をはかるのに効果的である。

↑「誤」

射出速度のプログラム制御は、「外観向上」に効果的です。

「寸法精度の安定」に効果的なのは、「保圧」のプログラム制御です。

 

例3)次の記述中の( )内に入る語句として、適切なののはどれか。

(  )式回路とは、数個の押しボタンスイッチが1組になっていて、そのうちの1つを押すと動作を保持し、他の機能は動作しないようになっており、その後、別の押しボタンを押すと初めに押したものは復帰し、後から押したものが保持されるものをいう。

イ 自己保持

ロ インターロック

ハ 位置保持

ニ ノンロック

↑「ロ」

 

5.射出成形機の付属機器及び装置の種類及び機能

<細目>

次に掲げる射出成形機の附属機器及び装置の種類及び機能について概略の知識を有すること。

(1) ホッパローダー及びホッパドライヤー

(2) 金型温度調節装置

(3) コンプレッサー

(4) ベント装置

(5) 粉砕機及び混合機

(6) 製品取出し装置及び確認装置

(7) コアー抜き装置

 

例1)文中の( )内に入る語句として、適切なものはどれか。

乾燥機は、成形機に投入する前に、材料の水分を取り除くために用いるが、最も多く使用されているのは( )式である。

イ 真空

ロ 除湿

ハ 赤外線

ニ 熱風循環

↑「ニ」

 

例2)成形材料の混練に使用される装置として、誤っているものはどれか。

イ ニーダー

ロ ミキサー

ハ ブレンドローダ

ニ 磁気セパレータ

↑「ニ」

磁気セパレータとは、「磁石で分ける」という意味です。材料内に混入してしまった金属片などを取り除く効果があります。混練には無関係です。

 

例3)射出成形機の付属機器の機能に関する記述として、誤っているものはどれか。

イ ホッパドライヤは、材料を乾燥させるものである。

ロ ホッパローダは、材料を供給するものである。

ハ 混合機は、マスターバッチ着色を行うときにも使用される。

ニ 通常の粉砕機は。不良インサート製品にも使用される。

↑「ニ」

金属などインサートされた製品は粉砕できません。粉砕刃が破損してしまいます。

 

例4)次の記述中の( )内に入る語句として、適切なものはどれか。

成形作業と連動せずに、単独で使う場合が多い付属機器は、( )である。

イ 製品取出し装置

ロ 金型温調機

ハ 箱型乾燥機

ニ ホッパドライヤー

↑「ハ」

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プラ太郎

プラ太郎

「射出成形業界を繋ぐ」プラファン運営者|特級技能士|若手に向けて射出成形スキルを熱血発信|俺たちの仕事 射出成形は超カッコいい|射出成形機をモチーフにしたプラモデルPLAIVE|

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